第8回ロケット交流会 パネルディスカッション
著
第8回ロケット交流会のパネルディスカッションに参加しました。前回、第7回ロケット交流会2018に参加したのが2018年10月だから、時間が経つのは早いものです。会場は、同じ日本科学未来館の中でもイノベーションホールにアップグレード? そして前回に続き大学時代の先輩である大貫さんが司会(NASA音頭ハッピ着てましたね)、かつJAXA宇宙飛行士の油井さんがパネラーとして参加されたのは、嬉しかったですね。
パネルディスカッションのお題は「国産有人ロケットの実現、そして月へ!」だったのだけど......振り返ってみると月にはほとんど触れてなくって、日本独自に有人宇宙輸送システムの開発を手がけるべきか否かっていう話に終始していた印象があります。いくつか思ったことを無理やり箇条書きでまとめると、
- 宇宙業界に限らず、世の中からリスクテイカーが減っているかもしれない。そういう時代なのか、経済環境がそうさせているのかは、わからないけれど。
- 有人宇宙開発に取り組むなら、日本独自にこだわるべき理由は明白で、クリティカルな領域で特に技術のブラックボックスを生み出さないため。他所に頼り続ける限り、その領域に進歩は望めない。
- 恒例の、宇宙観光にいくらなら払いますか的質問。自分は1,000万円なら今すぐ払ってもいいけど、弾道飛行なら嫌。たかだか数分間しか地球を眺められないツアーに稼いだお金を突っ込むつもりは毛頭ない、やっぱり周回飛行でないとね。そして仮に300万円まで値下がりするなら確実にリピートするわ、バイコヌールも南極も100万円でリピートしてきた。
- 挑戦を称え失敗を褒める文化は、もっと積極的かつ危機感を持って育んで行かないといけない(もちろん無謀な挑戦・失敗は論外だが)。こと日本国内に関し短期的にはマスコミを何とかしないといけない感があり、その意味では広報に優れた人材が必須。
- 日本人固有?の死生観も、変えていく必要がある。有人に積極的でない理由の一つに、いまだ「死亡事故に対して国民性として耐えられない」なんて挙げられてるけど、一体何年前から言い続けてるのって感じ。宇宙開発を特別視し過ぎている傾向があるならいい加減修正すべきだし、どういう責任を何に求めるべきかの教育も必要かもしれない。
- 声の大きい人(ていうか老害か?)が、有人は危険だの金がかかるだの言い続けるのは困りもの。その対抗馬としての狂人「候補」なら、業界内で潜在的には少なからずいらっしゃると信じたい(ちなみにホリエモンや前澤氏はその手の狂人ではないと自分は思う)。AppleのThink differentキャンペーンを思い出す。
あとは......コウノトリがISSに到着するまではコーヒーが不足したり、大便の処理で苦心されていた(袋を節約すべく手作業で押し込んでた?)とかいう油井さんの思い出話、そして日本政策投資銀行の竹森氏のお話で、エアバスもボーイングもずっと飛行機は赤字(採算度外視)でやってるとか、SpaceXに対する投資の半分はアメリカ国内からだが残りは国外の投資家からという話が興味深すぎました。