登山は財力?
著
エベレスト街道トレッキングのあいだ、同行の皆さんとは実にさまざまな山談義に花を咲かせたのですけど、そのなかで気になったフレーズが、誰が言ったか「登山は財力」。まぁそれを言ったら、世の多くの趣味は財力次第だろうとは思うのですけど、いろいろ考えさせられました。
確かに、自分の参加したツアーというのは、決して金額的に安い部類ではない認識(内容を考えたらお得だったけど)。旅行代金が628,000円、それに保険をつけたり、今回のツアーのためだけに買い揃えた品々もあって、合算すれば参加費用は70万を超えていたはず。そもそも19日間も連続して仕事から離れたこと自体が、換算すると結構な金額のはず。
だけれど、じゃあお金さえあれば、財力があれば誰でも登山を楽しめるのかといえば、やはりそうでもなく。安心とか装備はお金で買えても、体力、気力、歩く技術ばかりは自分でなんとかするしかない。そして難しいのが天気!!今回、エベレストB.C.まで往復したその次の日に雪に降られたのですけど、降雪が1日早かったら往復できなかった可能性を添乗員さんから伺いました。
登山の財力次第な側面を殊更に否定する気はないけれど、それが強調されることになんとなく抵抗を感じるのは、なぜなんでしょうね。そこには自分の能力や努力、幸運を否定されたくないっていう、エゴが潜んでいるのかもしれません。完全に独学ながら、そこそこ山を歩いてきた中で、少しばかり自信の湧いた結果とも考えられますが......決して自信過剰にはならないよう、エゴが肥大化せぬよう気をつけたい。