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人は、誰もが「多重人格」

今日も今日とて田坂広志先生の著書について覚え書き。読み終えたのはだいぶ前のことのように思うけど、今回は『人は、誰もが「多重人格」~誰も語らなかった「才能開花の技法」~』について。タイトルにある多重人格という言葉、そこはかとなくネガティブな印象を持っていたけれど、先生の意図についてはよく理解できました。

通常のプロフェッショナルの世界では、「才能」と呼ばれるものの大半は、「人格」や「性格」と呼ばれるものが支えている

まず上記が新鮮な視点であり、一種の気づきとなりました。すなわち、多くの才能を身につけ場面に応じて柔軟に使い分けるには、その才能を支える役割を担う人格自体を数多く備える必要があるというわけですね。「才能」の本質は「人格」と断言されていたのも、合点がいきました。

マネジメントやリーダーシップの本質が、「矛盾」に処すること

これまた素晴らしい教示をいただけたと感じるフレーズ。誰しも、表層意識と深層意識のあいだに矛盾を抱えているものであるから、自分のなかの矛盾、そして接する相手のなかにある矛盾、それぞれと向き合わなければ、マネジメントもリーダーシップもままならないのだなぁと。

一流のプロフェッショナルは、一つ二つの「人格」で、その高度な力を発揮しているわけではないのです。様々な「人格」の、全体バランスによって力を発揮している

これは何となく、職業的宇宙飛行士の選抜に通ずる話にも聞こえます。何か飛び抜けた才能が求められるので無しに、むしろ幅広く平均的な才能が必要、みたいな話で。それでこそ様々な人格、つまりは様々な才能を組み合わせ、個々の状況に対して随時、最適解なり最適なバランスを生み出すことが期待できるのでしょうね。

日常的な人間関係の中にいるかぎり、「深層人格」は、なかなか表に出てきません。

先日、富山へ遊びに行った折、自転車で日本一周中の土橋さんと知り合えたときのことを思い出します。一期一会の場において、まさに普段は感じたことのないような自分を感じたのですよね。振り返れば若い頃、留学で渡米したときなどもそうでした。自分を知らない人だらけの環境に敢えて身を置くことで、否応なく目覚める何かが間違いなくありますね。それを生かすも殺すも自分次第ですが。

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