吉村昭「高熱隧道」―黒部の難工事を描く―
著
吉村昭氏の著作『高熱隧道』を初めて読んだのは、下ノ廊下を2度歩いた後の2013年11月。Twitterで黒部峡谷トロッコ電車【公式】のつぶやきを読むまで、吉村昭記念文学館が自分の住む荒川区にあることすら知らなかったのですけど、ともあれ吉村昭「高熱隧道」―黒部の難工事を描く―という企画展が開催中と知ってしまったら、行かないわけにはいかない。
展示物は決して多くはありませんでしたが、空いていたこともあって、一点一点をじっくり拝見することができました。「黒部奥山を拓く」っていう、関西電力が制作した11分間の映像展示も良かったなあ。ちなみに自筆の『高熱隧道』原稿、欅平駅に飾ってあったのを見てはいたけれど、今回の企画展のために移動させた(=欅平駅では企画展が終わるまで見ることができない)のでしょうか。係員的な人がいなかったので確認できませんでしたが。
『高熱隧道』は黒部第三発電所の建設に焦点を当てた作品なのだけど、今回の企画展で、実はそれより先に『水の葬列』ていう、第四発電所にまつわる作品を執筆されていたことを知りました。これは近いうちに是非読んでみようと思います。また、企画展のなかには映画『黒部の太陽』に関するコーナーもあったのですが、『高熱隧道』が原作という勘違いをしていたことにも気付かされました。原作は木本正次氏の作品ですね......こちらも、いずれ読みたい。