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Webブラウザの進化すべき方向性は、表示コンテンツのカスタマイズしやすさ

少し前に、Re: 『デジタルオーバーレイ』に関する見解についてのなかで、オーバーレイが提供している各種機能は、ブラウザなりユーザーエージェントが提供するのが理想と記しました。そうした考えは、アクセシビリティオーバーレイの是非が語られるようになった2020年より前から抱いていたものです。

例えば、2007年に書いた文字サイズ変更ウィジェットでは各ブラウザベンダが文字サイズ変更UIをもっとわかりやすい位置に実装してくれればと書きました。目下、ChromeにしろFirefoxにしろ、文字サイズの変更機能をユーザーから目立つところに配置していない(そのような配置変更もできない)からこそ、Webブラウザに代わってオーバーレイの類がその機能を肩代わりする余地が生じていると理解しています。また、2018年に書いたユーザースタイルシートの復権では

結局のところCSSの学習コストを払ってまで積極的にユーザースタイルシートを使うというのは、なかなか流行らないとも思うんですね。単にユーザースタイルシートを当てることができるのにとどまらず、CSSの知識ゼロでもお望みのユーザースタイルシートを作れるようなUIが必要と自分は考えています。

と記しています。もとよりWebの利点の一つに、ユーザーが自身に見やすく・使いやすくカスタマイズのうえコンテンツを利用できる特性があります。その利点は、コンテンツのみならずユーザー、そしてWebブラウザ(や支援技術)が、それぞれに必要な役割を果たしてこそ最大化できる、というのが持論です。

しかしながら、冒頭で触れたRe: 『デジタルオーバーレイ』に関する見解についてで記したとおり、主観ですが、主要ブラウザの機能やインターフェースは、アクセシビリティやユーザビリティを重視する方向で進化しているとは言い難いと認識しています。

SafariのリーダーFirefoxのリーダービューのような機能は生まれたけれど、それらはあくまでWebブラウザからのお仕着せであって、決してユーザーが好きに表示をカスタマイズできるわけではありません。Webブラウザは、標準技術の進化と足並みを揃える格好で数多くの機能を実装してきたいっぽう、コンテンツのカスタマイズ性という点でユーザーに寄り添ってこなかったのは、個人的に残念です。その点に限れば、WebブラウザのUIは誕生以来ほとんど進化していない、と言っても過言ではないでしょう。だからこそ、

オーバーレイの提供する機能をネイティブに実装し、かつユーザーが使いやすいUIで提供するよう、Webブラウザのベンダーに働きかけるといった活動(だけじゃないけど)に取り組んでいきたいと考えています。

ということを、公的機関のWebサイトにアクセシビリティオーバーレイは不要で書きました。その流れで、昨日からデフォルトのWebブラウザをVivaldiに変えたのですけど、長くなったので続きは明日、覚え書きします。

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