宇宙飛行士選抜試験 ファイナリストの消えない記憶
著
内山崇さん(詳細は覚えていないけれど2009年の宇宙クラスタ忘年会でのご縁があるので勝手ながら「さん」付けさせていただく)のお書きになった、『宇宙飛行士選抜試験 ファイナリストの消えない記憶』を読了。宇宙飛行士選抜試験〜12年間語ることができなかったファイナリストの記憶〜で連載当時、リアルタイムに読んでいた内容ではあるけど、まとめて読めるのはありがたいですね。
読んでいると、宇宙飛行士選抜試験を受験すらしなかった(応募書類を取り寄せただけで挑戦することなく諦めた)、フラフラしっぱなしの自分の人生と否が応でも比べてしまい、胸のあたりが苦しくなります。まぁ内山さんがお書きになっているとおり、「宇宙に行きたい」と「宇宙飛行士になりたい」は明確に違う
わけですが(自分はあくまで前者)。内山さんは、職業的宇宙飛行士にこそ選ばれなかったけれど、真っ直ぐにそれを目指して努力を積み重ね、傍目には極めて順当に映る人生を歩んでこられた......それだけに選ばれなかったことの悔しさ、夢の喪失感、そういう感情が実に生々しく率直に綴られていて、読み応えがあります。
自分もなぁ......宇宙への距離感に関していうと、Space Adventures社のSuborbital Spaceflightをキャンセルした時とか、AXE宇宙飛行士選抜キャンペーンで1次選考を通過したものの(金井さんの打上げを見に行く関係で)面接選考・健康診断をキャンセルした時とか、割とこう感情を揺さぶられる経験を経てきたつもりなので、内山さんのそれからしたらまったく比べ物にはならないにせよ、一方的に親近感を覚えざるを得ないというね。若田さんに憧れている点とか、ラーメンが趣味(著者略歴にそうあった)というのも共通してますw まぁ一番の共通項と勝手に思い込んでいるのは
人類の有人宇宙開発を前に進めたかったのだ。
ここです。その思いは、自分の中でも一貫してるし、きっとこの先も死ぬまで変わらないだろうという気がしていて。過去の経緯はもちろん現在の立場や環境もまるで違うし、ていうか有人宇宙開発とはすごく縁遠いところに「今は」身を置いている自分だけれど、その時々でできることにこれからも取り組んでいこうと思っていますし、その一環として? 内山さんの今後ますますのご活躍を祈念します。