JAGDA KANAGAWA Design Cafe Vol.3 人が飛ぶためのデザイン
著
たまたま山歩きに行かない週末だったし、桜木町まで最寄りの田端から京浜東北線で乗り換えなしで楽に往復できるというのも動機としてあったけれど、珍しく人力飛行機に関する講演が聞けるというので、JAGDA KANAGAWA Design Cafe Vol.3 人が飛ぶためのデザインに参加しました。登壇されたのは日本大学 理工学部 航空研究会(NASG)でつい一ヶ月ほど前に鳥人間コンテストでのフライトを終えたばかりのリーダーとパイロットのお二人。
リーダーは、例年2人で作るプロペラを一人で完成させたという凄い方。何よりNASGに入りたくて航空宇宙学科に入学したというのだから、恐れ入ります。いっぽうパイロットも自転車レースで(社会人を抜いて)優勝した経験の持ち主で、素晴らしいですね。体重は55kgで、概ねその4倍のワット数が定常飛行時の必要パワーと説明されていたけど、それで2時間は飛べるポテンシャルで本番に臨んだのだそう。同じ代にパイロット希望者は3人いたそうだけど、1年生の冬にエルゴデータを比較、ほか器用さや人柄なんかも考慮されて選ばれたとのこと。
彼らの製作したMöwe36(製作費400万)ではいろいろ初挑戦をしたそうだけど、中でもパイロットの身体から型をとって作ったシートについては、イベントの途中で触らせていただけました(終了後には操縦桿も!)。主翼の耐荷重を増やした結果として可変ピッチを諦めたというお話は微妙に可哀想に思ったけど、重量が半分になるなら調整ピッチを選ぶわな。フェアリングにトラス構造を取り入れたら強度がざっくり3倍になったという発言も気になりました。そして試験飛行の映像では、かつて自分も飛ばさせていただいた交通総合試験路が映って、とても懐かしい気持ちに......。
イベント終了後、名乗りはしなかったものの元WASAパイロットかつ作蔵VIのメンバーという立場を明かしたうえで、お二人には御礼を伝え会場を後にしました。いやーやっぱりたまに、こういうお話を聞くと刺激を受けますね。また作って飛ばしたいとまでは、気安く思えないけれど。