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WAI-ARIA Authoring Practices 1.1のBreadcrumb Exampleについて思うこと

パンくずナビと呼ばれる存在については、過去にも何度か覚え書きしてきました。古いものから時系列に沿って並べるとこんな感じ(改めて調べてみると意外に書いている):

  1. 第1回「アクセシビリティBAR(仮称)」初夏のパンくず祭
  2. パンくずナビとマイクロデータ
  3. パンくずナビゲーションにまつわる議論、再び
  4. パンくずナビのマークアップ
  5. パンくずナビゲーションのマークアップ再考
  6. BreadcrumbListの実装

でまぁ最近になってふとBreadcrumb Example | WAI-ARIA Authoring Practices 1.1を目にする機会がありました。このナビゲーションに対しnavとかol/li要素を使うことの是非については敢えてスルーするとして、不可解な点が2つあります。

<nav aria-label="Breadcrumb" class="breadcrumb">
  <ol>
    <li>
      <a href="../../">
        WAI-ARIA Authoring Practices 1.1
      </a>
    </li>
    <li>
      <a href="../../#aria_ex">
        Design Patterns
      </a>
    </li>
    <li>
      <a href="../../#breadcrumb">
        Breadcrumb Pattern
      </a>
    </li>
    <li>
      <a href="./index.html" aria-current="page">
        Breadcrumb Example
      </a>
    </li>
  </ol>
</nav>

1つ目は、現在地を示す項目において自身に対しリンクを設けていること。その種のリンクは意味がないし、むしろユーザーに混乱を招きかねないので避けるべき、と昔から考えています。昨年12月のNielsen Norman Groupの記事、Breadcrumbs: 11 Design Guidelines for Desktop and MobileでもIn the breadcrumb trail, the breadcrumb corresponding to the current page should not be a link.と明記されています。にも関わらず、なぜ自身へのリンクを提供しているのか、謎です。

2つ目は、aria-label="Breadcrumb"Provides a label that describes the type of navigation provided in the nav element.とあるけれど、Webデザインに関する知識を持つ一部のユーザーにしか理解されないのではないか?と。「パンくず」ないし「パンくずナビ」というのは、果たして一般ユーザーが理解できるほどに市民権を得ている言葉なのでしょうか? 自分にはそうは思えません。「グローバルナビゲーション」や「ローカルナビゲーション」もそうですけど、まだまだ業界用語の域を出ていないのではないでしょうか。

W3C/WAIに意見するかどうかは、もう少し考えてからにしますが、取り急ぎもやもやを吐き出しておきました。

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