パンくずナビゲーションのマークアップ再考
著
あまり「パンくず」という呼称は好きではないし、ゆえにマークアップ上はclass/id名に「breadcrumb」なる単語を使うことも個人的に避けてきた、パンくずナビゲーションについて。つい先日、WebAIMが5回目となるスクリーン・リーダー利用者に関する調査結果を公開しました(日本語記事としてはWebAIM、Screen Reader User Survey #5の結果を公表|AccSellクリッピング|AccSellに詳しい)。同調査ではパンくずナビゲーションの読み上げられ方というかマークアップについての嗜好を問う設問があって、個人的に注目していたというのは以前パンくずナビのマークアップで触れた通り。果たしてその結果はというと、
- わからない/好みはない(32.6%)
- 順番ありリスト(27.8%)
- テキスト(20.4%)
- 順番なしリスト(11.9%)
- 入れ子になったリスト(7.3%)
とのことでした。自分が採用することの多いテキスト方式がそこそこ人気があるというか、少なくとも忌避されているわけではない、ということは確認できた感じ。気になったのは、入れ子になったリスト方式への嗜好について、視覚障害をもたない人がもつ人の倍の人気があった?という。どの辺りにその要因があるかわからないけれど......謎。今回の調査において、障害を理由にスクリーン・リーダーを使用している人は95%、そうでない人は5%であり、それにどれだけの意味があるのかもよくわかりません。
さて、これを受けて自分なりにパンくずナビゲーションのマークアップを再考してみたけれど、従来のテキスト方式から別の方式に乗り換える必要は無いだろう、と結論。改めて考えてみると、そもそもの設問に難があったというか......これ(=パンくずナビゲーション)がそもそも何なのか、誰のためのどういう意図をもった情報なのかというのが音声でも伝わるか?こそが問われるべきであって、選択肢のなかから選んだ理由を確認できない限り、参考にしにくいと思われ。
それはさておき、実はこれを機に、当サイトでschema.orgが定義するところのパンくずナビゲーション向けマイクロデータを実装してみました(パンくずナビとマイクロデータ参照)。だいぶ昔、構造化データ テスト ツールを使ってみたときには拾われなかったと思うのですけど、少し前に試したらちゃんとitemprop="breadcrumb"を指定した要素を拾ってたんですね(ただし複数のページを検証した限り、ちょっと拾い方が不思議というか微妙)。なので、どういうご利益があるかはさておいて、別に邪魔になるものでもなし、さくっと書き足してみた次第。