第4回アクセシビリティキャンプ東京 その2
著
第4回アクセシビリティキャンプ東京 その1の続き。以下は、何かしらWeb制作にかかわる人ばかりの集った第4グループにおけるフリーディスカッションの覚え書きになります。録音の書き起こしではないので、正確性は保証しません。また個人名や企業名等については記載しない方針で編集を加えています。
最近、アクセシビリティに関連するお仕事してる?
- (基本的に)ない、あるとしても公的機関の仕事
- 大手企業である親会社のアクセシビリティガイドラインをJIS X 8341-3:2010に沿わせるよう改定する仕事が進行中
- 企業からのリクエストはほとんどない
- 勤務先にはそれなりのガイドラインがある
- 実装ガイドラインやコーディングルールを決めている部門がある
- JISやWCAGに沿うようガイドラインは作られているが、なかなか遵守はできていない
- スピードを優先した結果としてトレードオフされる
- 品質管理はしているが、チェックしにくい
- 属人的なスキルに頼った結果、再現性のあるチェックができない
- 周囲を巻き込めず苦しい
- 検証環境を手に入れるのがネック
- 検証環境が無償で貸し出されたら周囲を変えられる?もしもチェックを外注できたらどうか?
- コストがネック
- 企業は完璧を期待する
- ボトムアップは辛い、トップダウンでないと厳しい
- 正しく理解すればトレードオフ対象ではないことは理解されるはずだが、そもそもそこに理解が至らない
- 伝え方が悪いのか要求が届かない
- 有志だけで推進するのはつらい
- 外からの圧力も必要
- 検証環境が無償で貸し出されたら周囲を変えられる?もしもチェックを外注できたらどうか?
- 検証環境を手に入れるのがネック
CSRとアクセシビリティ
- CSRはどの企業もやっているが、アクセシビリティがCSRに含まれるかは微妙
- コストがかからないようにプロセスを改善するか、そのぶんのお金を取ってくるかのいずれかだろう
- 社内に対してどう説得するかというブランディング
- 外向きに認知されてはじめて価値を認めてもらえるはず
- どう価値を認めさせてお金を取ってくるか?が課題
- 企業にとってはCSRの一部、潜在顧客に対してリーチできることが売りになる
- CSRに含めることができるのは体力のある企業だけ
- 企業は外圧に弱い
- JISも外圧のひとつ
- (Webアクセシビリティの)ワーストランキングも作ればいい
- ワーストはランキングにならない
- ライフラインを手がけている会社は少なからず意識はあるだろう
- 特定の層に限定してビジネスをしている企業とは分けて考えないといけない
- 企業は外圧に弱い
伝わる?伝わらない?
- 見た目にわかりにくいから伝わりにくい
- テクノロジーの話が多い
- テクニカルな面にフォーカスが当たり過ぎている
- 8割は基礎的な話になる
- 社内のナレッジにもよるが、社内教育にそれほどコストはかからないのでは
- 担当者がそもそもアクセシビリティに意識が向いていないので難しい
- 気づきだけでは難しいが、体験すればわかってもらえる
- 体験すること、直面することが重要
- 既成概念を壊すことから始めては?
- ディスプレイのないPCを操作している人の写真を見せるだけでも違う
アクセシビリティに取り組むきっかけは?
- 障害者が2chを使っていることをセミナーで知ったのが衝撃だった
- 昔は耳が聞こえなかった
- 知らなかった世界を知る、そういう気づきが実感をつくる
- いつ自分が障害者になってもおかしくない、当事者意識がないと
- 気づくきっかけがあればアクセシビリティの価値を理解してもらえるが、きっかけをどう作るか?
- たとえば小学校のうちに道徳の時間とかで動画で見せる?
- ユニバーサルデザインは既にやっている、シャンプーとリンスを区別するための工夫とか
- たとえば小学校のうちに道徳の時間とかで動画で見せる?
外圧とかプレッシャーとか
- 外圧により、経営者に生々しい状況が伝わるといい
- 某社が株主総会で株主からWebアクセシビリティを指摘されたエピソードを知っている
- Webプログラマーがセキュリティを意識しはじめるのと近い?
- 攻撃されて恐怖を覚え、そしてセキュリティに目覚める
- アクセシビリティの問い合わせ先がない
- サイト自体にツッコミをいれたい
- 一時期、首相官邸のWebサイトが話題になったが、外野として騒いでも直接訴えた人は少ないのでは?
- サイト自体にツッコミをいれたい
- 企業はランキングを気にする
- 企業は何かしらわかりやすい評価がないと辛い
- いまはランキングがあまりない(日経もストップしている)
- 企業は何かしらわかりやすい評価がないと辛い
- 使いにくさを匿名で指摘できるサイトがあれば使いたい
- アプローチは違うが、アクセシブルなコンテンツが健常者にとっても便利であればやろうって思うのでは
- 低機能な携帯電話でも利用できるようなつくりをメリットとしてアピールできたら
- あるいは音声でも使いやすくできることを訴求できれば
- ネガティブな面ばかりで訴求するブランドはいずれ廃れる
- ある程度プラス側のメリットもきちんと歌わないと
- 外圧はネガティブでもない
- アクセシビリティで助かる人を可視化することは市場規模への気づきにつながる
- 利用者も声をあげないといけない
- 声が増えれば増えるほど動きやすくなる
- 障害当事者だけでなくその周囲の人々、家族が声をあげれればいい
- 可視化が経営層へのプレッシャーになって、結果として皆がポジティブに動ければいい
- ブラウザ拡張で問題点を指摘できればいい