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第17回 スカイスポーツシンポジウム

かつては講演者や司会として参加したことのあるスカイスポーツシンポジウムに、久しぶりに参加しました。といってもフル参加ではなく、人力飛行機/鳥人間方面の話題が増える15時前ぐらいからの参加。日本航空宇宙学会はとうの昔に辞めてしまったので、非会員の登録料2,000円はちょっと痛い気がしなくもなかったけど、たまには実際に出向いてお話を聞く機会を持たないと、それはそれで人力飛行機ファンとしてどうなんだという気がして、云々。以下、いち老害の視点から:

人力飛行機交流飛行会について
今年8月28日に催された人力飛行機交流飛行会の運営者視点での総括。安全確保のために代表の方は日本赤十字社まで出向いて講習を受けていただとか、物損等の事態に備え参加者に保険の斡旋を手がけていたとか、当日は河川敷に流木が無いか確認していた、といった裏話はこれまで認識していた以上の取り組みとして素敵だなと思いました。経費の6万円は主要スタッフで割り勘したみたいですけど、そろそろ企業スポンサーを募っても良いかもしれませんね。少なくとも、参加者からカンパを募る程度は積極的に取り組むべきかと。あと気になったのは長期的な戦略の有無かなぁ……今はまだ、鳥人間コンテストが存続しているからこそ交流飛行会も開催できている側面があると思うけれど、もし鳥コンが終わったとき、果たしてどうなるのか?
前翼式人力飛行機における縦安定の設計指針
横国大の発表。200mの定常飛行は当たり前になっていたのですね……拝見した試験飛行の模様では、かなりの数のグランドクルーが並走していたけど、機速的にラクそうに映ってしまったのは僕だけでしょうか。ピッチング収束状況が定性的に合致した、みたいな説明がありましたけど、そこはどうなんでしょうね。パイロットといいプラットフォームからの発進条件といい、年ごとに違うわけで……前翼式というスタイルにこだわり、年ごとの設計情報を蓄積し比較可能な状態を維持している点は良いと思いますが。
人力水上飛行機の開発に向けた考察
発表者は、自分が現役の当時(もう何年前だろう!?)からお馴染みの御二方です。タイトルを見たときはちょっと勘違いをしてしまって、既に人力水上飛行機の製作なり試験を進めているものと思い込み、凄い期待をしてしまったのだけど……内容は確かに「開発に向けた考察」止まりで、多くが過去に聞いたことのあるような話の繰り返し。スカイスポーツシンポジウムという場において、若者(誰)を刺激ないし鼓舞する意味で一定の役割は果たしているのかもしれないけれど、気合いの入った?着物姿での講演だっただけに、個人的に余計にがっかりしてしまいました。
逆位相トルクの付加による人力飛行機の脈動現象の低減に関する研究
トルク変動キャンセラーの有用性を熱弁されていましたが、自分のアタマが悪いのでしょうけど、正直あまりピンときませんでした。自転車と異なりペダルがスムーズに回転しないってのは、過去の自分のパイロット経験上わからなくはないけど、それはチェーン捩りを解消するギアボックスを導入するまでの話で、導入以後はかなりスムーズにペダリングできたんだけどなぁ、相対的には。その部分については別の要因、特に京大の場合ケツペラで他に類をみないほどプロペラシャフトが長いわけで、そっち由来の要因を疑ったほうが良いような気がしました。多分ハズしてるんだろうけど。
鳥人間コンテストにおける湖陸風への対策
東北大の発表。こういったかたちで飛行の計画と実際の比較を解説されると、非常に興味深い。できるなら出場全チームについてこのような比較、分析のお話を聞いてみたいと思いました。それこそ現地で観戦しても、その後のテレビ放映を見ても得ることのできない情報として、すごく面白い「コンテンツ」だと感じた次第。本題の風については、なかなかそれはそれで得難い情報ではありますが、いずれ技術的、コスト的に目処が立って、飛行中のパイロットに琵琶湖の風の情報がほぼリアルタイムに伝わるようになったら素敵ですよね。何年先の話だよって感じですが。
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