LUNAR-A問題

2004年8月13日 著

月探査衛星LUNAR-Aを巡り、打ち上げを断念する可能性も含めて計画を見直しているとの報道がありました。なんでも、計画を進めるにはさらに約3年の期間と約20億円の追加費用がかかるのだとか。それに対して、宇宙開発情報ステーションでは早速、計画中止だけは許せませんとのコメントを発表しています。
昔の職場の先輩が同プロジェクトに携わってらしたりしますし、非常に価値あるミッションであると理解しているつもりなので、基本的には応援したいのですけど。しかしたいへん不謹慎ながら、今後の見通しを聞くにつけ、計画の中止もやむを得ないのでは、という気がしないでもないです。不運が重なったとはいえ、ある種の仕切り直しが必要ではないかと思うのです。さもないと、成功か失敗かという狭い視点だけで物事を捉えようとするマスコミから、また超ネガティブなキャンペーンを（プロジェクトのみならず宇宙開発全体に対して）張られてしまうのではないかと心配です。
そもそも、日本の景気が低迷して久しいですが、費やしたお金と時間に対する見返りとして何が得られたのか、その部分を積極的にアピールする必要があるのではと思います。JAXA本家のLUNAR-Aページにも、ISASのLUNAR-Aサイトにも、月探査情報ステーションにすら、そのあたりの情報が欠けているように感じますので。ピンチはチャンス（謎）。