パンくずナビの挿入位置
俗に「パンくずナビ」と呼ばれるナビゲーションのマークアップについては過去、たびたび当覚え書きのネタ(ネタ?)に取り上げてきました。例えば:
- 第1回「アクセシビリティBAR(仮称)」初夏のパンくず祭(2011年6月)
- パンくずナビとマイクロデータ(2013年6月)
- パンくずナビゲーションにまつわる議論、再び(2013年9月)
- パンくずナビのマークアップ(2014年1月)
- パンくずナビゲーションのマークアップ再考(2014年3月)
最近はそもそも、マークアップはおろかWeb技術について書くことが激減しています。がしかし、考慮すべき点が網羅的に整理されており勉強になったパンくずナビのマークアップ論点列挙を読んで、久しぶりに書きたくなりました。気になったのは末尾にある
というくだり。Update G65.html · w3c/wcag@5fe2276には、あくまで文案ですけど、次のようにあります。
Placing the breadcrumb high on the page, typically after the header, is a best practice and helps users quickly understand their location within the site.
(ページ上部、一般的にはヘッダーの後ろにパンくずナビを設置することはベストプラクティスであり、Webサイト内における位置をユーザーが素早く理解する助けとなる。)
確かにその場所に挿入しているサイトが多いことは承知していますが、果たしてベストプラクティスと呼べるものなのか? ベストかどうか疑うことなく思考停止したまま「右に倣え」で普及した慣習ではなくて? とか思ってしまうのです。とりわけその位置情報、メインコンテンツにたどり着くより前にユーザーが知る必要性がどれほど高いものか、個人的には疑問に感じるのですよ。
ちなみに当サイトは世界でも類を見ない情報構造を採用しており(要出典)、現時点ではメインコンテンツ=main要素内容の末尾にパンくずナビを設置しています。ユーザーがメインコンテンツを読み進めた結果、目当ての情報にたどりつけなかった状況が生じて初めて、Webサイト内における位置を知る(とかサイト内の別ページに遷移する)ニーズが生ずると仮定しているので......まず賛同は得られないでしょうけど笑。
ともあれ、わざわざ挿入位置をTechniques for WCAGで言及されるとなると、あたかもそれが絶対唯一の「正解」みたく受け取る人も一定数出てきそうだけど、果たして良いのかしらね。私はひねくれ者ですから、仮に書かれたところで当サイトにおける挿入位置はいじらない可能性が高いです。
@kazuhitoは、木達一仁の個人サイトです。主に宇宙開発や人力飛行機、Webデザイン全般に興味があります。Apple製品と麺類とコーヒーが好きです。南極には何度でも行きたい。アクセシビリティおじさんとしてのスローガンは「Webアクセシビリティ・ファースト」。