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Interop Tokyo 2024 / Internet x Space Summit 3日目

3日間にわたって参加したInternet x Space Summitもお終い。概ね面白かった。

Interop Tokyo 2024の特別企画、Internet x Space Summitの3日目に参加した覚え書き。

月探査のための通信・測位アーキテクチャの検討状況
インドとの共同ミッション、LUPEX(Lunar Polar Exploration Mission)について知らなかったので、ちゃんと押さえておかないといけない(謎)。有人与圧ローバーについて「宇宙服なしで乗れる世界初、唯一の月面モビリティ」って表現は良き。そして話は月測位衛星システム、Lunar Navigation Satellite System(LNSS)へ......2つの軌道面に8つの衛星を配置するとのこと。宇宙でもやっぱり相互運用性は大事よね。
宇宙ビジネスに必要な法律のコツ
法律の全体像をつかめば規制すらチャンスにできるかもしれない、との触れ込みからスタート。宇宙法の分類がまずとても参考になった。けれど、そのあたりも含めて基本、ご著書の『宇宙ビジネスのための宇宙法入門』に全部書いてあるかもしれない(そういえば買ったけれど読んでなかったような汗)。事業者にとっては国際法よりも国内法、というのがポイントだったかと。
月面拠点建設を実現する自律遠隔施工技術と地上応用
高齢化、人手不足、生産性・安全性の向上といった課題を前に、「建設現場は変わらなければならない」。そこから生まれたツールとしての現場の自動化がクワッドアクセル。人間が作業を計画、作業を自動化建機に「ITパイロット」が遠隔指示......知らなかったけれど、だいぶ自動化が進んでいたのね。ただその大前提として通信が「まともに」機能すること、というのを挙げていたのが印象的。
Space Internet 黎明期2024
Non-Terrestrial Network(NTN)の紹介セッション。スカパーJSAT、アジア最大の衛星オペレータとの事実はすばらしい(延べ衛星運用年数、347年!)。NTNとの対比で単にTNという言葉もあったのね(NTNの名付け親は3GPP?)。5G-Adv以降、継続的にNTNが仕様に組み込まれる予定とのこと。描いているロードマップ的には2028頃にTNとNTNを統合、2030頃に光通信と連携。
ispaceの民間月探査の挑戦 ~ミッション1/2とその先に向けて~
ispaceの「これまで」と「これから」の発表。今や従業員は世界で300人以上、技術者率は67%。2年ごとにミッションを打ち上げる予定なので、オリンピックより高頻度とも笑。着陸に失敗したM1で実績として誇りたいのは、テレメトリーが綺麗に取れていたこと!原因究明できたのは確かに大きい。
能登震災におけるKDDIの支援活動とStarlink活用事例について
Starlinkについて興味深いお話が聞けた。利活用事例としては大きく3カテゴリーあって、au基地局のバックホール回線、法人顧客向けの提供、個人顧客向けの提供(山小屋Wi-FiやフェスWi-Fiなど)。山小屋Wi-Fiは私自身、昨年真砂沢ロッジで利用したけど便利だったなー。能登半島地震では移動基地局43台をStarlinkで稼働したほか、350台のStarlinkをSpaceXと共同で無償提供したそう。将来のスマホとStarlinkの直接通信、楽しみ。
【Internet x Space Summit 特別企画】月面での通信がもたらす新たな宇宙ビジネスの創出へ
モデレーターを旧知の神武氏が務め、村井先生もパネリストの一人で参加された基調講演(講演?)。村井先生の自由すぎる質問を正面から受け止めつつ話を時間内にまとめるの、大変そうだなーって思いながら聞いてました(お疲れさまでした)。プラントの緊急停止のような場面を考えれば、たとえ2.5秒のRTTでも大問題だとか、そもそも通信が安定的に機能する前提としての電源供給が大事とか、そんな話が気になったかな。来年のInterop(2025/6/11〜13)では、ますます宇宙に関する議論を増やしていくそうで、期待したい。
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