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Interop Tokyo 2024 / Internet x Space Summit 2日目

Interop Tokyo 2024の特別企画、Internet x Space Summitの2日目に参加した覚え書き。

Interplanetary InternetとDelay/Disruption Tolerant Networking - 月面での国際宇宙探査を見据えたユビキタスネットワークの実現へ -
惑星間インターネットの実用化が、持続的な国際宇宙探査を支える通信インフラ実現のための解決策の1つ。しかし途絶が発生するし往復時間(RTT)は長いし、データロスもある(降雨により電磁波は霧雨で約15%、やや強い雨で90%減衰)。動的なルーティング、蓄積伝送による遅延・途絶耐性に対応したDelay Tolerant Networking(DTN)は頼みの綱。
清水建設の宇宙開発と宇宙利用 ~ロケットから月の暮らしまで~
清水建設は「総合宇宙企業」を標榜していたのね。3本柱は小型ロケット打ち上げ事業(スペースワン)、衛星データ活用、そして月面開発。衛星データ活用ではGlobal Navigation Satellite System(GNSS)を用いた動態観測システムを提供中で、将来はSynthetic Aperture Radar(SAR)データと組み合わせるらしい。
大林組・宇宙エレベーターその先に
宇宙エレベーターは建設方法まで考案済みで、LEOで組み立てた建設用宇宙機をGEOに移動させ、ケーブルを上下に伸ばしていく。地上とつながった状態で徐々にケーブルを補強していくのに、20年近くかかる見通し。完成後、地上から静止軌道まで行くには1週間くらいの旅になる(新幹線くらいの速さで向かう)。しかしとにかく、要素技術が揃わないと着工できない!
月面経済圏と通信・データ利活用
月面市場調査の紹介という趣のセッション。月輸送は、保守と楽観の中間をとった見通しでも2020〜2040年で790億米ドルの市場。同じ期間で月データは85億米ドル。月資源活用(ISRU:In-Situ Resource Utilization)は2040年に630億米ドル規模、ただしこれは火星進出まで見越して算出。
日揮グローバルの月面関連事業 ~月面スマートコミュニティLumarnity®の実現に向けて~
日揮は結構、昔から宇宙には取り組んでいたとのこと......宇宙ステーション「ミール」の代理店なんてことも。一時期は撤退したものの、アルテミスが契機で宇宙に再挑戦。ジャングルも砂漠も永久凍土もやった(ので次は宇宙)、って宣伝文句は素晴らしい。スターダストプログラムに参加しているそうで、4人が閉鎖循環型空間で継続的に生活できる施設を設計、ってものすごく地上課題と親和性高そう。
宇宙が拓く次世代インターネットに対する期待と挑戦
非地上系ネットワーク(NTN:Non-Terrestrial Network)を巡る議論。安全保障需要をテコに民間投資を呼び込み次世代産業のインフラを構築してきたアメリカはさすがだ。三者三様にNTNへの期待や現状の課題を述べていたけど、Starlinkが法律的に使えないエリアの存在は確かにネック。あと品質的にはまだまだってのもなるほど。ただまぁ船舶事業では特にNTN活用が職場環境の改善に直結しているし、それで求職者増も期待できるのは納得。
惑星間インターネットの未来: インターネット研究者からみたIPNの課題
WIDEのSpace-WGな学生の皆さんによる、瑞々しい?発表。Web over DTNやVideo Streaming over DTNをエミュレーションで検証したらしい(月、地球それぞれにIP網があると想定し、あいだをDTNで通信)。宇宙では、足りなくなったからといって簡単にメモリやストレージを追加できないのは悩ましい笑。あと、DTN絡みはトラブルシュートが難しい要因に、tracerouteのようなツールが揃っていないという話があって、なるほどなーと。
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