Interop Tokyo 2024 / Internet x Space Summit 1日目
著
Interop Tokyo 2024の特別企画、Internet x Space Summitの1日目に参加した覚え書き。
- Internet x Space Summit 開幕あいさつ
- 「Space x Internet」ではなく「Internet x Space」としたのはSpaceXと混同されないためだとか、夢は月面でウサギがついた餅を地上で売ることだとか、村井先生のお話はやっぱり面白い。
- ShowNet 惑星間インターネットサービスの概要
- 月から地球までの距離を考えれば、片道で遅延が1.3秒発生、Webページにアクセスするだけで14.5秒かかる。これが火星からとなると片道の遅延が3〜22分(位置関係依存)、絶望的だ笑。
- 惑星間インターネット時代の幕開け
- Interplanetary Networking Special Interest Group(IPNSIG)の紹介に始まり、NASAのLunaNetやESAのMoonlightを紹介。Point to PointからNetworkへのマインドシフトが必要、かつ切り札になるのが中継ノードのストレージを介してバケツリレーを行うDelay Tolerant Networking(DTN)......意外と地上での社会実装が進んでるのね。
- 産学官で挑む月探査へ
- なぜ月の南極に向かうか?そこに水がある「かもしれない」から。仮にあったとして、持続的な月面活動には地上技術の応用が鍵となると。その先に目指しているのは、宇宙探査と地上事業のDual Utilization。
- 玩具会社がSORA-Qを通じて宇宙事業に関わる理由
- SORA-Qは日本初の、そして完全自律という点では世界初の、月面探査ロボット。パワーではなく動きに着目して、ウミガメやムツゴロウを参考に試行錯誤を繰り返し、最終的には30度の坂でも登れるように。今後は日本人の月面着陸にフォーカスしつつ、子どもたちがもっと宇宙好きになるよう活動していくとのこと。
- 宇宙ビッグデータを活用したインテリジェンス事業の取組み
- スペースインテリジェンス事業、社内では「スペイン」と呼ばれているらしい。要は宇宙ビッグデータにAI技術や外部データを組み合わせ、意志決定に役立つ情報として提供する。時代は高空間分解能よりも、高時間分解能へ......さまざまなビジネスへの応用に期待したい。
- 宇宙空間での快適で持続可能な暮らしを実現する建築
- 竹中工務店は南極基地も手がけてきたのね......拠点構築のための集団共有知能をもつ進化型ロボットも研究しているらしい。つまり建築だけではなく、その周辺にも取り組んでいる。ルナタワーを計画・設計する意図は、タワーを建てられればこそ遮蔽物を越えデータを遠くまで飛ばせるから。
- IETFにおける惑星間インターネット標準化の動向と課題
- 気になったのは、前回IETFの会議で直に議論した人数の少なさ。DTN WG参加者は15人程度、Deep Space IPも同規模?Deep Space IPはQUICを使っていて、Bundle Protocol(BP)とはまったく異なるアプローチらしいけど、どうなるのだろうか......DTNは検証が進んでいるようだけど。ともあれ、中継ノードのリソースって課題は気になる。
- 月面と地球との通信ネットワーク ~日本の通信業界が貢献できることは何か?~
- 宇宙戦略基金と絡めての議論は興味深かった。やはり当面は周波数争奪戦かー、次の半年が勝負らしい。そして「インターネットの薫りが漂っていない」という指摘、表現が面白かった。ネットワークの概念をみんなが持つことが必要、というのはつまりPoint to Pointからの脱却ね。エベレストに登るにもまずはBCが必要なんだからインフラは大事よ、という文脈は好きだなー。