【トークイベント】IMJA TSE 写真家がイムジャツェに登って撮ってきた
著
今となっては渋谷は人が、というか若者が多すぎて近寄りたくない街No.1なのだけど笑、写真家である関健作氏の【トークイベント】IMJA TSE 写真家がイムジャツェに登って撮ってきたにはどうしても参加したく、会場のモンベル渋谷店まで行ってきました。
関氏は昨年、ちょうど私がエベレスト街道トレッキングに行く直前に、イムジャツェ(英語名のアイランドピークのほうが私には馴染み深い)登頂を果たし、そして今年5月にはエベレスト登頂を目指していらっしゃる方で、X(Twitter)やInstagramで準備の状況を公開されています。以下、興味深かったお話:
- 以前、青年海外協力隊でブータンに向かったのは、当時ネパールでの募集なかったからだそう。
- その頃は英語力が乏しかったため、小学生に混じって(!!)勉強し始め、ごく短期間で英検2級を取得......すごい。
- 登山だけでなしに、自転車のご経験が豊富。初めてエベレストを見に行った時の手段も自転車。
- ブータンを横断するスノーマントレック、初耳でした。世界最難関トレッキングである理由は、コース上にロッジがなく、荷運びをする馬が逃げ出したり、馬使いと喧嘩するから笑。
- 国内で体験できる最長の瞑想は、ヴィッパサナー瞑想で10日間。これはちょっと興味ある......。
- ブータンは山を神聖に扱うそうだけれど、6000m以下は山ではないとも。
- ネパールでは国鳥のニジキジを食べる人もいて、臭みが独特だが美味しいらしいけど、バレたら逮捕!?
- イムジャツェへのアタックではミトンの片方を落としたり、アッセンダーに氷が挟まるトラブルがあったそう。
- さらにシングルブーツは薄手で、足の指の感覚を失うという事案も。ネパール人基準で装備を選んではいけない。
- 奥様の「いつかっていつ?」という言葉、すごく重い。でも真理だとも思う、人生いつ何が理由で夢を断たれるかわからない。
- 登山家に「43歳の落とし穴」(星野道夫氏も43歳でお亡くなりになった)があるのは、何でもできると思い込むタイミングで気持ちと体力が交差するから。なるほど。
- エベレスト、2017年までの数字で29人に1人の死亡率。昨年、2023年は487人が登山申請。
質疑応答の時間に、(セオリー通りではなく)6000m峰の次にいきなりエベレストを目指した方の成功事例はどれくらいあるのか、聞いてみました。14サミッターの竹内氏は8000m峰の登山経験は事前に必要とおっしゃっていたそうですが、事例は数多くあるそうです。関連して、登頂の成否は酸素の供給が鍵らしく、エベレストに何度も登っている倉岡氏率いるツアーだと、BCから酸素ボンベを使い体力を温存しながら上がっていく(ので登頂の確率が上がる)というお話が参考になりました。
[ 2024-02-22 追記 ] ご本人による当日の振り返り記事が公開されていました(「IMJA TSE 写真家がイムジャツェに登って撮ってきた」@モンベル渋谷が無事に終了しました。)。また当日のイベントを想ってのエベレスト日記もInstagramにアップされています。