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私たちはこの地球をどうしたいのか? ~地球の健康状態を知る・守るための超産業連携~

我慢しない、のは大事だけど、並行して価値観の変革は不可避だと思っている。

東京大学 伊藤謝恩ホールで催された株式会社ワープスペース主催のイベント「私たちはこの地球をどうしたいのか? ~地球の健康状態を知る・守るための超産業連携~」に参加しました。当初はオンラインでの参加を予定していましたが、直前になって現地参加に変更......ただし、翌日は朝早くから山行に出かける手前、ネットワーキングには不参加。

プラネタリーバウンダリーとは

三菱UFJリサーチ&コンサルティングの畠山氏の講演。1950年の時点では平均寿命は47歳......とか聞かされると、50歳の自分は随分と長生きしてしまった&地球にネガティブな影響を与え続けているんだなと実感。ともあれ、内容的にはプラネタリーバウンダリーを軸として現状を総括した、非常にわかりやすく素晴らしいものでした。

まとめで語られた「人新世の時代に新たな人類繁栄の仕方を定義しなおす必要がある」というのは、本当にそれなという感じで、しかし言うは易く行うは難し。国連が機能不全に陥って久しいなか、一体それをどう推進すればいいのやら?という印象。加えて「持続可能な社会構築に貢献できる人材育成・確保」という課題については、広報・PRの重要性だったり、倫理学からのアプローチにも言及していただきたかった印象。

パネルセッション1:多様なアプローチを統合し価値を最大化するためには?

Forbes JAPAN 執行役員 Web編集長の谷本氏からは、周囲を巻き込むのに真正面からのアプローチばかりではダメで、ワクワク感も大事みたいな発言があって......まさに、ステークホルダーへの寄り添い方が問われているなと思いました。コミュニケーションモデルにおけるメッセージとロジスティクスの設計が大事っていうか。

東京大学FoundX ディレクターの馬田氏の発言で気になったのは「課題はもう見つかっている、あとは解決するだけだ」みたいなお話。ともすれば楽観的すぎるように聞こえてしまったのですけど、真意はいかに? ただまぁ、現場で課題を認識している人とデータ処理に長けた人を橋渡しできるとあとがスムース、というのは激しく同意。

RESTEC 常務理事の松浦氏のお話では、政策決定者へのインプットが大事という気づきを得ました。それと、主語が「人類全体」だと他人事になる、もっと足元の身近なところから......という指摘は勉強になりました。個人的にはクソデカ主語を真正面から振り回して社会全体を説き伏せたい気もするのですけど、ごもっともです......。

パネルセッション2:地球を丸ごと見えるか ~自然資本保全と経済活動の最適化に向けた取り組み~

株式会社シンク・ネイチャー代表取締役の久保田氏の話で面白かったのが、生物多様性は測ることのできない概念指標だということ。測定可能なまでに要素分解するしかない、そしてそこにビジネスが絡んでくる......しかしそこで私のなかにムクムクと「還元主義は敵」という感情が湧いてきて以下略。まぁでも「ざっくり」評価も大事みたいなお話もあって、結局は全体的な評価と部分的な評価を行ったり来たり(謎)しながら前進するものだろうなと。

サステナビリティと人の幸福を両立するための「我慢」は主流化しない、という指摘は同感ですが、いっぽうで価値観を変革しないことには物質循環を今以上に抑制できないのでは?とも思っていて、そこはなんとなくパネラーの皆さんで議論して欲しかった論点。

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