小さいことにくよくよするな!
著
『小さいことにくよくよするな!』は、割と古典的な部類に属するくらい、以前から読まれている(と思う)自己啓発書。表紙に見覚えこそあったものの、つい最近までは買っても読んでもいませんでした。なるほど、いくつか刺さる表現もあって、面白かったです。
いまのあなたが手にしている成功は不安から生まれたものではなく、不安にもかかわらずつかんだものなのだ。
素晴らしい指摘であり、励ましでもあると思いました。不安でいることそれ自体、なんとなくネガティブな避けるべき状態という思い込みがありましたが、そうであってもうまくいくときはいく(し、いかないときは実際いかない)。不安を殊更に忌避しなくなれば、自ずと穏やかになれるかな。
みんなそれぞれの価値観があって、いつも自分の考えが人と一致するとはかぎらない。なのに、私たちはその明白な事実を受け入れたがらず、自分の考えが拒否されたり反論されると怒ったり傷ついたり不満を感じたりする。
いやもう本当にそれな。ひとたび頭に血がのぼってしまうと、無自覚・無意識に自らの狭量さを全力で棚に上げてしまうものだから、我ながら酷いものです。考えが一致しないほうが自然なのだ、たとえ相手がどれほど身近な存在であっても。自分と異なる人格の持ち主である以上は。
私たちは、もし、べつの場所にいたら——休暇中だったら、べつのパートナーだったら、べつの仕事だったら、べつの家だったら、べつの環境だったら——いまよりもっと幸せになって満足するだろうと思い込む。そうはならないって!
心の中でめちゃくちゃ笑いました。そうはならないって!そうはならないって!!
人生はどんどん進んでいく。幸せになるのはいまこのときをおいてない、というのが真実だ。いまじゃないとしたら、いつ?
不幸にして今日とか明日にも死ぬ可能性だってゼロではないのに、どうしてもっとずっと先の未来の幸せを夢想できてしまうのか笑。いまこの瞬間に幸せを感じれなかったら5年先、10年先だって危ういだろうね。「吾唯足知」の境地に至っていないからそうなるわけで、ただひたすら修行が足りない。
時の流れのなかで百年というのはそれほど長い時間ではない。しかし、確実なことが一つある。いまから百年後、私たちはこの地球にはいないということだ。
そうだそうだ笑。だからといって自暴自棄になりたくもないけど、自分含めみんないなくなる。そう思えればこそ、どんなに嫌で腹立たしく思う事物であっても、それに囚われるのは馬鹿馬鹿しくなる。そんなことにかまけてる場合かよと。もっと今を生きなくてはね。