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国産有人ロケットを考えるシンポジウム

1月28日の覚え書き。2023年最初のガンプラ製作会の続きで、自宅でRGジオングの製作を進めつつ耳だけ参加したのが、国産有人ロケットを考えるシンポジウム ~日本で早期に有人ロケットを実現するにはどうすれば良いか?~。てっきり後から資料や録画が利用できると思い、気になるところは後で復習するつもりでいたのですが、思惑が外れとても残念。

しかしとにかくこのイベントで刺さりまくったのが、最初に基調講演を行なった松冨 悠氏の「アメリカにおけるロケットスタートアップの過去、現在、未来 ~ど真ん中を走ってきた日本人ロケットマンの考察」。現在はRelativity Spaceにお勤めだけど、過去にはBlue Originに在籍していたこともあるという......そんな凄いエンジニアの方が同郷(千葉県のご出身)でいらっしゃったとは、なんとも驚きです。

既にうろ覚えだけど、松冨氏の話でまず興味深かったのが、バッファロー理論。SpaceXも結構レイオフっぽいことを定期的にやってスタッフの一定数を入れ替えているらしいのだけど、その根拠がどうやらバッファロー理論らしいのね。Urban Dictionary: the buffalo theoryには次のような説明があります。

A herd of buffalo can only move as fast as the slowest buffalo. And, when the herd is hunted, it is the slowest and weakest ones at the back that are killed first. This natural selection is good for the herd as a whole, because the general speed and health of the whole group keeps improving by the regular killing of the weakest members.

要するに組織をバッファローの群れに見立てて組織の進化、あるいは開発のスピードを落とさないため、相対的に足を引っ張る側の(つまり行動の遅い)スタッフを敢えて切っているわけだ。残酷な話に聞こえなくもないけど、組織を生き延びさせるのみならず、組織の活性化とか新陳代謝のために人を入れ替えることの必要性は理解できるし、それを能動的に実行できるのがSpaceXの持つ強さのいち側面なんだろうとも思えます。

もうひとつ面白かった松冨氏の話が、先だってVirgin Orbitが空中発射式のロケットの打ち上げに失敗してて、そのニュース自体はVirgin Orbit rocket suffers anomaly during 1st launch from UK | Spaceなんかで知っていたのですが、空中発射方式って想像してたより難しいのね。というのも、打ち上げ前にたとえロケット側に異常が検知されても、燃料を積んだままで空港に帰ってくると危険らしく、成功の可能性が低くても打ち上げないといけなかったらしい......切ない。

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