@kazuhito
Kazuhito Kidachi's Personal Web Site Since 2000

運気を磨く

田坂先生の著書すべてを読もうと、少しずつ未読のものを買い集めていますが、割と最近になって読んだ『運気を磨く ~心を浄化する三つの技法~』について。本書は2019年10月、つまり『すべては導かれている』より後のタイミングで発売されており、やはり本文中においてゼロ・ポイント・フィールド仮説に触れられていました。

本書は、この「運気」という問題を「オカルト」的な視点から語る本ではない。反科学的な「神秘主義」の視点から語る本でもない。

こうした一種のエクスキューズは、本書より後に発売された『死は存在しない』でも丁寧に強調されていますけど、いっぽうでゼロ・ポイント・フィールド仮説のような事実と確認されたわけではない学説を引き合いに出している点は、たとえそれが実体験と多分に合致するところがあっても、やはり微妙に矛盾を感じなくもありません。

「無意識」の世界は、「表面意識」の世界を経由することなく、「無意識」の世界同士で互いに感応する

上記のような言い切り型のくだりも非常に注意が必要で、さも科学的に実証済みの事実であるかのように読めますが、自分はそうではない認識です。確かに、現実世界においてそうとしか思えない事象はあるでしょうし、それが非言語的コミュニケーションと相関しているのも想像に難くないですが......いかに合理的に説明できるからといって、その仮説が正しいとは限らないわけで。

唯織の思想に基けば、我々の意識の奥には、「末那識」があり、さらにその奥には、「阿頼耶識」と呼ばれるものがある。そして、この「阿頼耶識」には、過去のすべての結果であり、未来のすべての原因となる「種子」が眠っているとされている。

まさか、先生の著書で阿頼耶識という言葉と再会しようとは......これ、自分は機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズに出てくる阿頼耶識システムで初めて見聞きした言葉です。

「絶対肯定」の思想を真に掴むならば、「良い運気」と「悪い運気」という二項対立の思想も消えていく。その結果、「運気」という言葉も消えていく。

絶対肯定......先生の他の著書でもたびたび登場する考え方であり、ある意味では究極の発想とも映ります。なにせ絶対肯定ですから、あらゆる出来事、それこそ身に降りかかる災難さえも、意味のある「良きこと」として捉えなければならない。それは決して容易ではないですし、果たして自分が死ぬまでに身につけられるか、自信は無いです......。

現在地:ホーム > 覚え書き > 月別アーカイブ > 2022年12月 > 運気を磨く
Google カスタム検索を利用しています