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テクノロジーが予測する未来 web3、メタバース、NFTで世界はこうなる

入門 Web3とブロックチェーン』に次いで読んだWeb3本が、伊藤穰一氏の書いた『テクノロジーが予測する未来 web3、メタバース、NFTで世界はこうなる』。氏については、インターネット黎明期からの活躍により尊敬してきたところはあれど、MITメディアラボ所長を辞任せざるを得なくなった一連の経緯から正直あまり良いイメージを持っておらず、複雑。ただでさえWeb3絡みの話題には、眉に唾をつけまくって接してますから。

ちなみに氏がひたすら小文字で始まる「web3」表記を採用している点については、web3が持つ非中央集権的な意味合いを持たせるためと注釈で解説されていて、なるほどわからん。要するにWeb 1.0やWeb 2.0とは違うんだというのを記号的に表現している、と解釈しましたが......小文字自体に非中央集権的な意味があるとすれば、それは何に由来しているのだろう。

Web 1.0、Web 2.0、web3という流れのなかで、できることが「変化した」のではなく、「増えた」ということです。

自分も同じ認識ではありますが、しかし本書の全体的な論調としてはブロックチェーンやDAOなんかを基本的には(楽天的すぎると思えるほど)持ち上げており、中央集権的なものから非中央集権的なものへの移行を促しているかの印象すら抱いてしまったので、上記のくだりにはなんとなく矛盾を感じてしまう。Web 2.0的なものが消えてなくなるわけではないはずなんだけど......いっぽうで

実際にどうなっていくのかは、人々が何を求めるかによって決まります。場合によっては、まったく新しい中央集権的な存在が台頭してくるかもしれません。

みたいなくだりもあり、どっちやねんというか、読みが外れたときのための予防線かしらというか......うーん。仕組みとしてのブロックチェーンやDAOに自分も魅力と可能性は感じますけど、それらのおかげで民主主義とか資本主義、総じて世の中が良い方向に進むかというと???そうなるより前に教育面でいろいろ立ち行かなくなりそうな懸念が自分の中には漠然とあります。あとやっぱり

ブロックチェーンにはマイニング(取引データを承認するプロセス)の際にエネルギーを大量消費するため、地球温暖化に悪影響を及ぼすという負の側面があります。

ここが気になるんですよね。伊藤氏は環境負荷の低い「プルーフ・オブ・ステーク」へと移行する動きが進んでいるなど、改善の目処は立っていますと、あくまで楽観的ですが......そのあたりの詳細は一般向けの書籍ではなくちゃんと専門書、技術書を読み込まないと理解できないだろうなと思っています。

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