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宇宙科学技術社会論フォーラム&対論型サイエンスカフェ

「宇宙旅行の光と影」トークショーから帰宅して、すぐさま参加したのが、宇宙科学技術社会論フォーラム「宇宙開発をみんなで議論するために」。プログラム的に完全にトークショーと被っていたため、16時からの参加となりましたけど、それでも興味深いお話を聞くことができました。特に、「宇宙開発を議論するスキル――合意形成に向けて」とその後のパネルディスカッションですかね......いずれも有人宇宙開発の是非に関連はしていたのですけど。

「宇宙開発を議論するスキル――合意形成に向けて」で、合意に至るための方法の中で言及されたのが、対立点を明らかにすることの重要性。言葉遣い、事実認識、価値観、問題の捉え方の4つに分類・整理して説明されていたのが実に分かりやすく、またあらゆる種類の合意形成に有効だと思いました。特に言葉遣いについては、相互の語彙を揃えることがコミュニケーションの本質的ないち側面であるなら、大事だなと。

パネルディスカッションの中での気づきは、宇宙移住という選択肢を是とすることが、かえって地球環境問題を解決することへのモチベーションにブレーキをかけるのでは......というお話。ここは鶏が先か卵が先か、に似たジレンマを感じますね。加えて、やっぱり時間軸をどこまで広げた中での議論とするか、が難しい。数十億年先まで時間軸を広げるなら、地球にとどまることができなくなるのは明らかであって、宇宙移住する「しかない」のですけど。

そして19時からは引き続き、対論型サイエンスカフェ「月旅行、 どうなったら行く?」に参加。2021年度後期の受講科目のひとつにサイエンス・コミュニケーションの授業があり、サイエンスカフェの運営についても学んでいたので、いち参加者として実際にサイエンスカフェに参加できるのを、楽しみにしていたのです。加えてテーマが宇宙開発だし、かつての職場の先輩である寺薗さんが登壇されるし!

そういうわけで、どちらかというと議論の中身より運営スタイルっていうメタな視点に寄って参加したのだけど、ファシリテーターを務めた本田隆行氏の素晴らしすぎるタイムマネジメントで、実にスムースに進行したのが印象的でした。Zoomのブレイクアウトルームを使った議論についても、それぞれのルームにちゃんとファシリテーターの方が設定されていて、きちんと意見を集約・発表してくださって、至れり尽くせりでしたわ。

市民参加型の議論において一層浮き彫りになると思うのが、月旅行を含む宇宙開発全般の意義や価値の曖昧さ。むしろだからこそ、広報・PR担当者が活躍する余地はまだまだあると思えるけれど、先だって宇宙科学技術社会論フォーラムで話された合意形成への道のりを思うと、軽く眩暈がするっていうか、先は長いなあと。常々思うのは、どこかの星の宇宙人が攻め込んできてさえくれたら、うんとたやすく合意形成できそうなのになと。結局のところ、人間にとって最大の敵は人間、なのかどうか笑。

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