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新版 CSR経営戦略

コーポレートコミュニケーション経営』と同じく、固定レイアウトであることを見落としてKindle版を買ってしまった『新版 CSR経営戦略:「社会的責任」で競争力を高める』を読了。こちらは大学院の主ゼミで指導していただいている、伊吹先生の著書です。

CSR経営、CSRコミュニケーションについて体系的かつ網羅的にまとめられているもので、事例もそれなりに載っています。ただ残念なのは出版が2014年8月、つまりSDGsの合意に至った2015年9月の国連サミットより前なんですよね。必然的にSDGsにはかすりもしておらず、改訂版が欲しいところ。

気になったポイントとして、まずp.47の図2-1、戦略的CSRの基本フレームが実にわかりやすいなと。守り(A:企業倫理・社会責任)と攻め、という類別はもちろん、攻めの中身をB:投資的社会貢献活動C:事業活動を通じた社会革新に分けているのが素晴らしい。三種の取り組みのバランスが大事なのはもちろんですが、A→A+B→A+B+C、ないしA→A+B+Cというような道のりでCSRへの取り組みが成熟していく様は想像しやすかったです。

加えてp.212で今後の世界経済の発展におけるグローバルレベルの社会的課題として具体的に3つ例示されているうちの1つがウィルス感染の拡大で、既に当時コロナ禍が現実的な課題として認識されていたことを確認すればこそ、現状を残念に思います......もちろん、世界がそれに無関心であったはずはなく、多くの方が予防に取り組んでこられたのだとは思いますけど。

また、p.270からシマノの事例紹介があるのだけど、その冒頭の会社紹介の中で公用語を英語としているとあって、へえええ!!となりました。英語を公用語としている企業といえば真っ先に楽天が思い浮かびますけど、シマノもそうだったとはね。従業員は連結で11610人、うち日本人は1145人ともあって、然もありなんという感じですが。

最後に、p.136に誤字を発見。推進を協力にサポートしていく、の「協力」は「強力」ですね。

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