宇宙にひろがる文明(シリーズ〈宇宙総合学〉4)
著
シリーズ4冊目(最終巻)、『宇宙にひろがる文明(シリーズ〈宇宙総合学〉4)』の中から、特に興味深かったところをいくつか。ちなみにp.79に光学センター
とあるのは、「光学センサー」の誤記と思われます。またp.105にある国際宇宙学校
は、正しくは「国際宇宙大学」のはずです(私は97年のSSP卒業生)。
太陽に飲み込まれる前に,太陽の表面温度の上昇により地球の表面温度も上昇し,やがて生物は住めなくなるだろう,といわれています.それは(早ければ)数億年先のこと.
太陽が地球軌道まで膨張して飲み込むのが50億年先、というのはうろ覚えで知っていたけど、そうか、それよりずっと早くに気温が上りすぎて住めなくなるか。そりゃそうだ......しかし数億年と50億年だとだいぶギャップを感じます。意外に早く宇宙進出しないといけないのかも。
科学の世界においてサンプル数が増えるということは,統計的な情報が増えることであり,特殊なものと普遍的なものを切り分けることができるようになるということなので,とても重要なのです.
アンケートでもまずn数を見ないとってのは意識してたけど、普遍性の有りや無しやに関わるとなれば、改めて確かに重要だなと。ちなみにこれはケプラー宇宙望遠鏡が発見した系外惑星の数という文脈で出てくる一節。
宇宙科学の歴史は,私たち人類の存在の相対化の歴史だったといえるでしょう.
「相対化」というのは、宇宙開発なり宇宙進出の意義を語るうえで欠かせないキーワードだなと思いました。それなくして獲得し得ない視座というのは間違いなくあって、それは喩えるなら地球の出 - Wikipediaの写真の持つ意義、世に与えたインパクトに近いなと。
ローマクラブの『成長の限界』に,SPSを加えて行われた生存圏シミュレーションの結果があります(Yamagiwa and Nagatomo, 1992).
......要チェック!!
「Sustainability」=「持続可能な」社会という言葉は,現在の地球において,本当に適切でしょうか.実は,持続可能社会はそう簡単に達成できません.
まさか最後の最後で、SDGsに言及されていたとは......もっと早くに読むべきでした。宇宙空間との触れあいは,人類のもつ根源的な価値観を変える契機
というフレーズとあわせて肝に銘じます。