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SDGsの基礎

SDGsに関する科目を選択し授業を受けていることもあり、その科目の先生も著者の一人である書籍、『SDGsの基礎:なぜ、「新事業の開発」や「企業価値向上」につながるのか』を(授業そのものとは関係なく)読みました。マーカーを引いたなかから、いくつかピックアップすると:

CSVはあくまで経営課題が中心ですが、SDGsは社会課題が中心にあり、持続可能な社会の実現という、大きな社会価値を生み出すことが求められています。

CSVにおける「共有」の対象を地球という惑星全体にまで最大化したのがSDGsと言える点が気に入っていて、もはやCSVの時代は終わりSDGsの時代だ、という感覚が自分の中にはあります。あえてスコープを使い分ける必要のある文脈においてCSVは依然として有効だし、別のところでCSRとCSVを併用するのが的確な企業戦略ともあったけれど。

SDGsは、「三方よし」の理念を時間的にも、空間的にも広げたものといえます。

以前から「三方よし」はWebデザインを考えたり語ったりする時によく引き合いに出してきたフレーズだけに(作り手よし、使い手よし、Webのエコシステム全体によし)、すごくしっくりきます。

SDGsに掲げられている課題は、対応が遅れれば大きなコストになるものの、先んじて取り組めば市場優位を得る大きな機会にもなりうることが、世界をリードする企業の幹部を中心に浸透

そこのところが「なりうる」認識だけではなく実効性が確認できていればなお良し、だと思うんですけどね......未来志向が結果的に現世のご利益にもなる流れを今の経済の仕組みのままでは担保できないというか。その点こそ、今の経済がベターではあってもベストではない、と繰り返し感じてきた所以でもあったりするわけで。

日本は、世界発のルールに対応するだけでなく、これを「自分ごと化」して使いこなし、さらにはルールメイキングにも参画していくべき

御意。どこぞの標準化の現場で目の当たりにしてきたのと似た話ではあります。

従来は、要素還元的な思考で問題の主要な原因を特定し、解決に向けて取組んできた。今後は、複雑な社会問題を統合的な思考で"システム"全体を取り扱い、様々な問題を同時的に解決していくことが求められる。

これもねぇ、まったくもってその通りというか、要素還元主義の限界を感じるというか。複雑系、なんてキーワードがもてはやされた時代もかつてあったけれど、結局は部分と全体、ミクロとマクロ、両方に同時並行的にアプローチしないとダメってことなのでしょう。そしてそれは時間軸においても必要で、現在と未来を等価に扱ったり論じることができないと厳しそう、と感じます。

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