Re: 電子書籍(EPUB 3)によってプリントディスアビリティに対処するための標準化動向
著
リハ協ブログの記事経由で、村田さんがお書きになった電子書籍(EPUB 3)によってプリントディスアビリティに対処するための標準化動向を読みました。記事中に掲載日が明記されていないようだけど、Facebookへの投稿を見る限り、3月16日に掲載されたらしい。
非常にコンパクトに、プリントディスアビリティとは何かから始まり、そうした障害に寄与するWeb/電子書籍関連技術とその標準化動向、日本語に固有の話題がまとめられています。さすが村田さんだなぁと思うと同時に、改めて気になったのが、EPUBコンテンツがアクセシブルになるべく辿ってきたこれまでの道のりと、先だってFPWDが公開されたWCAG 2.2が、今後どう整合するのかという点。WCAG 2.2で追加されるかもしれない達成基準の一覧、Potential WCAG 2.2 SCsを見ますと、「Source」の欄に「ePub」とあるものが2つあるんですよね。
- Fixed Reference Points(
Able to navigate to page numbers
) - Page break locators(
Able to identify the page breaks in a reflowed version
)
後者については、「Draft status」欄にDiscard?
とあるから、なんとなく消えて無くなりそうではあるけれど(そもそも前者と意味内容的に近い印象を個人的に受けます)、前者のドラフトを読むと、明確に固定レイアウトのEPUBコンテンツに言及があります。まぁ先のことはわからないけれど、仮にこの手のページメディア固有の達成基準がWCAGに入ってきたとき、EPUB Accessibility 1.0の扱いはどうなるのか(どうともならないのか)、すごく気になってるんですよね......。
EPUB Accessibilityは、1.0の日本語訳にあるように、EPUB 出版物のための追加要件のセットを加える
位置付けだったわけで、仮にそこのところ(何処)の線引きがWCAG 2.2によって微妙に変わるとなれば、その変化に引きずられる格好でEPUB Accessibilityも更新せざるを得ないのではないかなぁと......同ドキュメントが参照しているWCAGは2.1ではなく2.0のままだったりしますし。村田さんの記事にはWCAG自体取り上げられていないから、敢えてそこには触れない体でお書きになったのかもしれませんが、是非ご意見を伺ってみたいポイントではあります。