取締役の心得
著
某所で話題になっていたので、『取締役の心得』を読みました。同じ著者の方が書いた『取締役の教科書』は、10年以上前の2009年に読んでいたのですけど、それと似た印象を持ったかな(当たり前だけど)。本書は
取締役として、最低限の知識を学習するための場や機会は非常に少ない
これから取締役になる人が持つべき視点や心構えについて触れた本も非常に少ない
ことを背景に書かれた本。最近だと、取締役について書かれた本もそこそこあるように感じるから、執筆された当時とはだいぶ状況が変わっているはずですけど、まぁそれなりに耳の痛くなることが書かれています。
どれだけ偉くなろうとも、リーダーシップにリモコンは存在しない。
これは率先垂範の重要性を説くくだりに出てきた表現。現場から遠く離れた高みから指示ばかり出しているような存在になってはいけないよ、というようなお話。もっとも、取締役というのは基本的に役割なのであって、それに就くことがイコール偉くなることとは思っていないですけど。率先垂範といえば
社員は経営陣が言っていることではなく、経営陣がしていることをする。
というのも、重要な指摘に思えます。役割の違いに応じ目の前の仕事の中身は異なるから、どちらかというとマインドに近い部分かなと思いますけど......お手本になる、少なくともなろうとすることって、すごく大切だよなぁと。山本五十六氏の有名な言葉で最初に出てくるのは、「やってみせ」ってやつだし。
自分自身が満たされていない取締役が、社員や顧客、株主を幸せにする気持ちにはなれない
正直、自分は色んな意味で満たされていないのだけど(申し訳ありません)、ごもっともです。せめて、満たさないといけないという危機感だけは持つようにしているつもり。常に自分の機嫌をよくするという目標についてもそうですが、やっぱり自分で自分の機嫌を取れないのに周りの機嫌を良くするなんてできないし。
会社がなくなったら、自分の資産もなくなる。そんな背水の陣で戦う
......つらい(つらい