5Gビジネス
著
読み終えたのはだいぶ前のことですけど、覚え書きしていなかった『5Gビジネス』について。いまだに書店でも目立つところに平積みされてたりしますが、タイトル通り技術書ではなく、5Gの普及によって期待されるビジネスメリットや将来像などがわかりやすく解説された本です。
そもそも5Gとは何かといえば、モビリティ方面に言及している辺りに出てくるフレーズで自動運転技術は、5Gの技術要件である「高速大容量」「超信頼・低遅延」「多数同時接続」のすべてが要求されます
に言い尽くされてる感。その一方で消費者が5Gを求める理由は薄い
ともあり、
消費者が既存のサービスを利用する際の通信需要という観点では、4Gで困ることはそれほどなく、消費者が5Gを求める理由は薄くなります。
って言い切られちゃってる。まぁ個人的にはマルチアングルでスポーツ観戦できても大して嬉しくないし、スポーツ好きの人であっても、わざわざそのマルチアングルのために折りたたみ・大画面のスマホを買うか?というと疑問ではある。同じことができるなら、スマホでなんかより40インチくらいのでかい自宅向けテレビで見たい気がするし。ことスマホに関しては後半で
いつでも、どこにでも画面があって、その時見ている画面が自分のスマートフォンと同じ役割を果たしてくれるのであれば、スマートフォンを持ち歩く必要は無くなります。
という予測も書かれているのが興味深い。いずれ、スマホを持ち歩くことが懐かしく思われる時代が来るのでしょうか。結局、入出力機器やネットへの接続が遍在化すれば、持ち歩く機器のバッテリー切れを心配する必要が無くなるだろうから、それはそれでありがたい時代と言えるかもしれない。そして
救急車両がコネクテッドカーになる、ということですので、救急車両と医師のクルマを経路制御により合流させるなど、モビリティの高度化も含めて救急医療を高度化させることができます。
というユースケースはすごく期待できるというか萌えます。すでに医療の世界において実施されている遠隔医療を、5Gでいかに進化させられるかが論点
というくだりにも感じますが、過疎が進む地方などで特に命を救いやすくなるなら、実に素晴らしいこと。都市部であっても、高齢者に対する支援という切り口から上りに強い5Gを活用したサービスが色々出てきそうではあります。