選ばれ続ける必然 誰でもできる「ブランディング」のはじめ方
著
ブランディングのお勉強にと、Amazonで割と評価が高めだったので買って読んだのが『選ばれ続ける必然 誰でもできる「ブランディング」のはじめ方』。なるほど、全体的に平易でわかりやすくブランドとブランディングについて噛み砕かれており、ためになりました。
情報が非常に多くなり、また個々人の体験も共有されるようになってきた現代では、一人ひとりの頭の中に、その会社のイメージや良い体験を集積し、信頼され、好かれなくてはいけない時代になってきたのです。
上記は、ブランドの重要性が高まってきたことの経緯を端的に言い表していると感じます。選択肢が多く存在すること、また個々の選択肢について知る手段なり機会があるのは、選ぶ側からすれば豊かさそのものであって幸せな一方、選ばれる側からすると超大変。提供する製品やサービスの質はもちろん、それも含めて提供元のブランドが一層、大事になってきているのだなと。というのも、
そもそも商品やサービスで圧倒的な差をつけるのが難しい時代ですし、差をつけたとしてもすぐに追いつかれてしまいます。個性が出しづらい世の中です。
という記述もあって、まぁ確かにねと。なので最早ブランディングという活動、一種の総力戦を通じてしか生き残るための道筋は見えてこない(ビジネスは戦争型から恋愛型へ
っていう印象的な見出しもあったけど)。同時に
お客様が自分に合った会社や商品・サービスを選ぶときは、必ずしも合理的・客観的な基準だけで判断を下すのではない
というのもポイント。選定事由、購入動機、総じて価値観自体が多様化しているので以下略。
「どんな会社でありたいのか」を定義づけ、会社のさまざまな活動にズレをなくし、お客様との多くの接触ポイントで一貫した価値提供をしていく。それによって信頼を獲得していくことが、大事になってきます。
接触ポイントもまた多様化の一途をたどっているわけですから、その界面においてブレのない一貫性をもたらすのは益々、ハードルが上がっているように思えます。自分の仕事と紐づけるなら、やはりその一貫性を担保するうえで極めて重要な役割を果たすのがデザインガイドラインないしそれに類するドキュメントで、結局のところブランディングに対する意識を高めないことには、どれだけ立派なガイドライン(デザインシステムと言ってもいい)を作ったところで画餅なんですよね......。