HTMLコーダー&ウェブ担当者のためのWebページ高速化超入門
著
いちおう表示パフォーマンスに関する書籍は一通り目を通すようにしているので......少し前に発売された、『HTMLコーダー&ウェブ担当者のためのWebページ高速化超入門』を読了。超入門だけあって、内容的には全然物足りないのだけど、画面キャプチャをふんだんに載せているから、初学者にはとっつきやすいかもしれません。まぁ画面キャプチャって諸刃の剣で、あっさり陳腐化してしまうから、書籍という媒体だとなかなか扱いにくい気がしますけども。以下、気になったこととか:
- p.3の
画像を並べたり色をつけたりといったレイアウト
というくだり。レイアウトって基本的には配置のことであって、着色までをも言い含めるのは違和感がありました。 - p.16の図10は、p.10の図6と同じものなので、あえて重複させてページ数を増やさなくても良いのではないかなと。
- p.62の
Base64エンコーディングすることでファイル容量が元の画像ファイルより増えてしまうと言う欠点もあります
というくだり。最近はあまり問題にならないかもだけど、バイナリを直接扱うより処理に時間がかかる可能性が指摘されていた時期があったのを思い出しました(When to base64 encode images (and when not to))。 - p.63の
HTTP/2を利用したい場合は、実質的に常時SSLでの暗号化が必須
について、その理由が書かれていないのは、若干モヤっとされるかも。自分はTLS in HTTP/2 | daniel.haxx.seなんかを読んで、単にメジャーなブラウザの実装が広まった結果としか理解してないけれど......。 - p.65の
一般に、ソースコードの整形をBeautify、ソースコードを整形するサービスをBeautifierと呼びます
、知りませんでした......これは勉強になりました。Uglify / Uglifierの方しか目にしてなかったので。 - p.66〜67にある
スリムなCSSを描いてみよう
のところで、シンプルなセレクタやショートハンド記法を奨めているのだけど、この辺りはデメリットにもしっかり触れていただきたかったところ。表示パフォーマンスを第一の目的にそういうスタイルシートの書き方をする人は多くないだろうとは思いつつ。 - p.88以降出てくるCritical Path CSS Generator - by Jonas Ohlssonについて。これ、ファーストビューの幅や高さについて言及がないけどどう定義されてるの?と思ってpocketjoso/penthouse: Generate critical css for your urlsを見たら、デフォルトは1300x900が指定されてるぽい。微妙だなぁ。
- p.99で
この時点でCSSを眺めて「明らかに不要」「明らかに足りない」と言う記述がわかる場合
とあるけれど、難読化された状態で「明らかに不要」「明らかに足りない」を判断するのは、いったんBeautifierを通さないと無理ゲーな気が。 - p.147から始まる第8章「Web担当者・HTMLコーダーのためのGit超入門」は、本書のタイトルからすると正直、不要だったのではと思いました。GitはGitで入門書が多く出回ってますし。