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沈黙の山

東京阿曽原会でお会いした、阿曽原温泉小屋の佐々木さんのはからいで、チューリップテレビ制作の「沈黙の山」を拝見しました。先だって発表された第56回ギャラクシー賞のテレビ部門において、入賞を果たした番組です(チューリップテレビ制作の「沈黙の山」にギャラクシー賞参照)。佐々木さんご自身も、後半の方で結構フィーチャーされていました(お若い頃の写真も!!)。

見終えた率直な感想としては、なるほどよくできた番組だなぁと思ったいっぽう、いわゆる世界ブランド化構想を推進する側とそれに慎重を唱える側、双方の対立構図を意図的に際立たせ過ぎてはいないだろうか? という点が気になりました。それは、一般の視聴者に対してわかりやすく伝えようとした結果なのかもしれませんけど、ドキュメンタリーとしてあるべき姿なのかどうか。

推進する側からは、安全確保は構想の大前提......みたいな発言がありましたが、具体的にどう構想に盛り込まれているかが番組では取り上げられていません(故に、そもそも盛り込まれているのかどうか不明)。また慎重派の側については、構想のポジティブな側面をどう捉えているかが分からず、見方によっては闇雲に安全第一を唱えているよう映ると思います(それはそれで圧倒的に正しいと個人的には思うのですが)。

まぁその点を抜きにしても、世界ブランド化構想の推進は無理筋という感想を抱きました。推進側が視察したというヨーロッパの観光地と立山とでは、なにぶん自然環境というか積雪量が違い過ぎます。わざわざ大金をかけて視察に行くまでもなく、参考にすることなど不可能では? 本当に安全確保が構想の大前提にあるなら、はるばるヨーロッパまで行くよりまず、立山黒部アルペンルートの閉鎖期間前後の山小屋の実情をこそ視察すべきでは?

以下、本番組と世界ブランド化構想に関して佐々木さんがお書きになった記事をまとめておきます:

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