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DIST.23 「マークアップを止めるな!」

10月19日の覚え書き。今まで訪れたことがなく、取り壊される前に一度は入ってみたいなーと思っていた中野サンプラザの8階研修室で催された、DIST.23 「マークアップを止めるな!」に参加しました。DISTは以前、DIST.18 「Sketch時代のWebデザインワークフロー」で参加したことのある、クリエイティブコミュニティのこと。この日は都合、3つのセッションがありました。

手戻りの少ないレスポンシブデザインのチェックポイント

残念ながら、内容がよくわかりませんでした。後からスライドをじっくり見返しても、やはりわかりません。

モバイルファーストで作ろうがデスクトップファーストで作ろうが、レイアウトが崩れる時は崩れるわけで、自分の経験上どちらがどうというのはありません。ターゲットサイズを決めることの大切さを力説されていましたが、ターゲットサイズなんて「あってないようなもの」がレスポンシブWebデザインの特徴だと思いますし、まとめにある「クライアントの確認は大切」というのは、もはやレスポンシブかどうか関係なく当然という気もします。

顧客からの手戻りを減らすという意味では、そもそも「レスポンシブ」とはどういう状態を意味するか、そのメリット・デメリット、ピクセルパーフェクトの無意味さなどを顧客に理解していただくことに尽きる、というのが持論です。

マークアップの違いと間違い

イベントの終了後、すごく久しぶりにご挨拶できた酒井さんのプレゼン。スライドは文字のみで、すごく淡々と進行されていたのがかえって新鮮というか目新しい感じでした。

勤務先で「マークアップ部」なるデザインカンプをもとに皆でマークアップをわいわい論ずるイベントをたまに催してきたぶん、同じデザインカンプを見てもHTMLの書き方が人によって違うのはなぜか? はすごく面白い命題だと思います。Twitterにも書きましたけど、HTML仕様の知識や理解度が理由にあるのは当然ですが、Webサイト運用の経験値によってもカンプから読み取る情報量が変わり、結果としてマークアップに変化がもたらされるでしょう。総じて、デザインカンプはさまざまな仮定なり前提が暗黙的な「いちスナップショット」でしかない、という捉え方ができるかどうかが、HTMLの書き方を大きく左右するように思えます。

デザインカンプを出発点にマークアップを考える場合、プロセス的に情報の組織化・構造化がマークアップ行為とパラレルで進むわけですが、カンプの表層的な見た目からどこまで深く掘り下げて要件を導き出せるかが重要で、酒井さんは「粒度」という言葉を好んで使っていたけれど、自分は抽象度を自在に行き来できるような能力が必要だと思っています。

マークアップをパワーアップするWAI-ARIA

越智、もとい伊藤さんと枡田さんの泥酔コンビ(違う)による、アクセシビリティ関連のセッション。WAI-ARIAが必要となった経緯とか、その具体例としてaria-liveを引き合いに出すといった流れ、かつで同僚の辻さんと一緒にお話しした「アクセシビリティを加速するWAI-ARIA」を思い出さないでもない。

Webアクセシビリティの基本を押さえたエンジニアが向かう先は、ある意味必然的にWAI-ARIAなわけですけど、セッションの後半の「WAI-ARIAの前に」でやや強調されていたように、それを使う必要性というのは疑ってかかった方が良い、というのは激しく同意。控えめに言って、わざわざイキって使うほどのものではなく、下手をすればかえってアクセシビリティを悪化させかねないですから。

あとは、最後の「マシンリーダビリティーを上げればヒューマンリーダビリティーがついて来る」というのがなるほどなという印象でした。デジタルコンテンツはすべからくソフトウェアによる何がしかの処理が加わった結果が利用されるわけで、マシンリーダビリティがヒューマンリーダビリティの源泉であり、ひいてはアクセシビリティの源泉でもあるという論法を再確認。

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