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Advanced Publishing Lab.報告会+懇親会

12月8日の覚え書き。一応関係者?ということで(何も貢献できてませんが)無料でご招待いただけたので、ありがたくAdvanced Publishing Lab.報告会+懇親会に参加しました。ただし、イベントタイトルの一部にある懇親会については、急ぎ会社に戻らねばならなかったので不参加。

TPAC出版サミット報告

日本語が大変流暢なフランス人、フローリアン・リボアル氏のプレゼン。フランス語はもちろん他に英語、中国語も話せるのだとかで、そういう言語に達者な方は無条件で降伏、もとい尊敬してしまう。興味深いなと思った議論が、結局のところ出版とは何か、という問い。「版」の文字からは物理的な何かを強く想起されるけれど、今はもうそういう時代でもなし......その点は先日参加したパブリッシング - 出版の未来をウェブに見るでの村井先生からの問題提起でも聞いていたことです。

W3CのCEO、Jeff Jaffe氏はワークフローをHTML中心に考えてはどうか? と仰っていたそうで、それに賛成しつつ本質的には語彙の一貫性が重要なのであって、となるとますます、現状AcrobatがPDFの構造化に提供している構造化は微妙だなーと思いました。そうそう、PDFについてはコンテンツのパッケージングに用いては? みたいな話も一部あったようですが、冗談にしか聞こえなかったですね......。

EPUB WG報告

EPUB WGの報告というよりかは、APLがGitHubをどのように活用しているかという紹介がメインだったような? ちらちらWikiを眺めていた中では、Publishing@W3C: 順調に進んでいる融合という文書がめちゃくちゃ面白い。和訳ありがとうございます。

また、お話の途中でマイクを向けられ登壇した村田さんが、EPUB 3.0.2の策定に向け動き出した経緯について言及されたのが面白かったです。曰く、EPUB 3.1なんて誰も使わない(使えない)と。それはつまりバージョン番号の扱いに由来するのですけど、まったくもってHTMLの仕様が歩んだ道とダブって映ります。

自分が全然知らなかったONIXについての話も興味深かったですね。まだあまりよく調べていないけど、schema.orgにある語彙と若干、軋轢があったようで。それと、最後の方で出版とは何かという(前のセッションでも話題になった)テーマに触れられ、どなたかの発言を引き合いに make public がすなわち publication だ、みたいなお話を紹介されていたのが印象に残りました。それってまさに、紙かどうかなんて関係ないですよね。

Accessibility WG報告

村田さんのお話。訴訟沙汰に始まり、法整備の状況、海外出版社の取り組みの紹介、そして紙の本が読めない・読みにくい状況の整理と、それに対してEPUBやRSができることは何か......を語る流れ。

繰り返し、本来であればしっかりとした調査を行った上で、どこから何を対策をするかを決めるべきとお話されていたのが印象的でした。ただそれをやるにはおそらく人も時間もお金もたりないのだろう、と察します。目下、最終的な落としどころの一つに捕らえられているのが電書協ガイドライン(電書協EPUB3制作ガイド?)の刷新ということですけど、今後の活動が楽しみでありますし、自分も何かしらそこに関われればと。

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