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剱岳山行 2017

劔岳頂上からの眺め

8月26〜27日の覚え書き。2017年の抱負のなかで目標の一つとして挙げていた剱岳に、1泊2日で登ってきました。行くことを決めたのはその数日前、天気予報を見る限り完全な晴天が見込めたので、水曜のタイミングで剣山荘、北陸新幹線、立山黒部アルペンルートの立山〜室堂往復を一気に予約。果たして、期待通り最高の好天の中を登れました。写真は剱岳山行 2017 | Flickrにまとめてあります。

これまで多くの人が命を落としてきた山だけに、自分なりにその準備として西穂高岳の登頂を2回、前穂〜奥穂〜北穂の縦走を2回、それに黒部峡谷 下ノ廊下を4回歩くなどして経験値を貯めたうえで臨んだわけですが、それでもなお険しさを感じた山でした。生きて無事に帰ってこれて本当に良かったです。そしてやっぱり、また登りたいと思わされる山でした。

1日目(8月26日)

  1. 二度寝したおかげで荷造りが遅れ、出発直前はかなりバタバタしてしまったけど、なんとか5時半過ぎに家を出発。
  2. 上野駅のコンビニで朝食を買い込み、かがやき501号に乗車。計画を立てた時に思ったけど、かがやき501号は週末登山の強い味方。
  3. 富山駅で新幹線を降り、電鉄富山駅へ。予定では9:07発の立山行きに乗るところを、前倒して8:57発の特急に乗る。乗車券1,200円+特急券210円。
  4. 当然、予定より早く立山駅に着くも、立山ケーブルカーは10:40発のをWebで予約していたので、お食事&喫茶 あおきで時間調整。コーヒー1杯350円。
  5. 立山ケーブルカーに乗るところでライブカメラを見たところ、室堂はバッチリ晴れていて、これは完全に読みが当たったなと確信。
  6. 美女平駅でバスに乗り換え。この辺りから、韓国語が周囲から聞こえ始める。後で知ったけど、韓国には2,000m以上の山が無いので、立山は観光名所になっているらしい。
  7. 室堂に着いてまずは立山そばで山菜きのこそば(750円)をいただく。普通のお蕎麦ではあるけど、これが結構美味しくてつい食べてしまう。
  8. ホワイトボードの山岳情報を軽くチェックしてから、12時頃、いよいよ歩き始める。過去何度か室堂周辺を歩いてはいるけど、地獄谷から先は未体験のゾーン。
  9. 雷鳥沢キャンプ場を過ぎ、川を渡ってしばらく行くと、小さな看板しかない分岐がある。そこをしっかり曲がって(12:40)、劔御前への登りに入る。
  10. ダラダラとした登りを延々登らされるも、晴れて見通しが良いので、来た道を時折振り返りつつ気分良く高度を稼ぐ。
  11. 13:44、剱御前小舎に到着。そこからは剣山荘へは1時間の道のり。前後の人もいなくなり道迷いのリスクが高まったのでしっかり注意して歩く。
  12. 14:35、この日の宿泊場所である剣山荘に到着。その直前、曲がるべきところを曲がらずにしばらく山荘を行き過ぎてしまったのは、ゴールを前に気が緩んだからか?
  13. 剣山荘は、1泊2食で1万円。朝食はお弁当にしてもらう。部屋は劔、布団は201、202、203、205の4人スペースに5人でシェアして、とのこと。4がつく布団は不吉だから無いらしい。
  14. 特にすることもなく横になって夕食までダラダラ過ごす。Kindleで本でも読むかーと思ったけどすぐ眠くなってしまって危険。
  15. 17時前には1回目の夕食があって、そこになんとか滑り込む。いつのまにか気づくと山荘の周囲はガスガス。
  16. 夕食後も読書する気になれなくて、ゴロゴロしながら近くの方々と山の話。クラ○ツーリズムの団体客って大抵の山で見かけるけど、たまに迷惑だよねみたいな話で盛り上がる。
  17. 星は朝起きてから見ればいいやってことにして20時過ぎには就寝。

2日目(8月27日)

  1. 目覚ましをかけなくても、やはり周囲のゴソゴソした音で3時過ぎには目がさめる。
  2. 予定では3時半出発だけれど、危険な場所を通るところでヘッドランプ頼りではさすがに不安なので、多少、出発を遅らせることに。
  3. まだ周囲が暗く星が綺麗な3:48に山荘を出発ランプの列も、遠く富山湾方面の市街地の明かりも綺麗。一服劔を過ぎ、大岩のあたりで少し明るさを感じ始める。
  4. 4:58に前劔頂上着。既に遠くの剱岳頂上には人影が見える(何時に歩き始めてるんだろう!?)。
  5. 前劔の門の手前で、20人ほどの団体に引っかかる。これは前劔で小休止した時に自分の出発タイミングが悪かった。まぁそこの鎖場はちょっと怖かったのでゆっくり進めて良かったけど。5:42、平蔵の頭
  6. 前夜、「整備されるからヘーキヘーキ」って知らない人から言われたのを真に受けてたけど、登るにつれヤバい山に来てしまった感が募る。とにかく油断すると簡単に死ねる山。
  7. 5:55、いよいよカニのたてばい。既にリュックに取り付けたカメラを何度か岩に擦り付けてしまってはいたが、命が惜しいのでもはやそんなことに構ってられない。しっかり三点支持をキープしながらよじ登る。
  8. 非常に緊張したけれど、カニのたてばいを過ぎてから剱岳頂上までは拍子抜けしたくらいあっという間。6:19登頂、いやー達成感半端ない。祠の前で撮っていただいたスナップの表情にも出てる。
  9. 山頂で30分ほど、じっくり景色を堪能しながらお弁当と給水。本当に晴れて良かった、こんなに良いコンディションで劔に初登頂とは運が良い。
  10. 相当の人数が登って来つつある中、名残惜しいけど7:00に下山開始
  11. 直後のカニのよこばいでは、先行する女性2人組からありがたいアドバイスをいただく。思い切って鎖にぶら下がる感じで(実際にはぶら下がらない)、胸より下あたりに鎖がくるまで腰を下ろした状態で、最初のステップに足を下ろす。
  12. だいぶ日が高くなり気温が上昇、発汗量も上がる。時折、何度か荷物の大きさを指摘されるたび、「アタックザックとか持ってないだけです......」と返す。
  13. 8:33、一服劔で小休止。その手前で、前夜に隣に寝ていた方を追い抜く。朝3:20出だったらしい。山だと、40過ぎてても「ニイチャン」扱いを受けるというか、周りの皆さんの方がお年を召しているので、若者扱いされるのが微妙に嬉しいというかなんというか。
  14. 8:53、剣山荘ゴール。危険域を抜けたあたりで油断して滑落、転落事故が起きるとは聞いていたけど、集中力を切らさずに歩ききった。
  15. ヘルメットをしまいつつ、500円のコーラを買ってごくごく飲みながら小休止。15分ほど休んで、剣山荘を出発。とにかく翌日は仕事があるので、少しでも早く帰宅し身体を休めなければならない。
  16. 行きはヨイヨイ、帰りはなんとやら。とにかく暑くて長くてつらかった......9:56に剱御前小舎10:58に川を渡る橋のところでそれぞれ小休止。そこからの階段もダラダラ続くのつらい。
  17. 軽量化のためと思いトレッキングポール置いて来たのが完全に裏目に。剣山荘と室堂の間は、あった方が完全にスピード出せる。
  18. 室堂には11:36到着、予定より1時間近く早い。12時発のバスに乗って美女平へ、そこから13時発の立山ケーブルカーで立山へ。しかしそこで接続が悪く13:40まで富山行きの電車がない。駅の無料休憩所で手持ちの行動食を少し消費しつつ時間つぶし。
  19. 富山駅には14:45到着。駅前には24時間テレビの募金やってる人がちらほら......で、向かった先は西町大喜 富山駅前店。お腹はあまり空いてなかったけど、せっかくなのでブラックラーメンで塩分補給をしようと思ったわけ。
  20. 塩味濃いかっていうと、まぁそうなんだろうけど、がんこの味に慣れ親しんでいる身としては大したことない......か、舌が既にぶっ壊れてる。
  21. 食後、富山駅に再び向かって驚愕。北陸新幹線、思ったより本数がない。一番早くて1時間後だし、しかも満席で立席特急券しかない。時間が惜しいので、立席特急券を購入してかがやき510号を待つ。
  22. 立席特急券、乗れる号車の指定はあるのだけど、とにかく自分以外は皆座ってるので完全に浮いててつらい。自分も今回初めてそういう特急券があることを知ったくらいだから、きっと「あの人なんで全席指定の新幹線で通路に立ってるの」と訝しがられているだろう。
  23. 途中、車掌さんが通りがかった時には「立ち席特急券です(キリッ」と周りに少し聞こえる感じに言ったけど、やっぱりつらい。居づらくて仕方ないので、車内販売のワゴンが来たタイミングで結局、客室の外に逃亡。その方が床にべたっと座っても気にならないし。
  24. 上野駅に18:21着、そのまままっすぐとは帰らずに、西日暮里で下車しビアパブイシイで独り、剱岳からの無事の帰還を祝しホワイトエールをパイントでいただく。19:30に帰宅、ミッションコンプリート。
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