Re: プロの編集者が意識する「ドキュメント構造」――HTML仕様の欠点にひきずられちゃダメ!
著
著者の安田さんには別途、Facebookの方でコメント付けておきましたが(これを書いている時点では反応は頂けておりません)、プロの編集者が意識する「ドキュメント構造」――HTML仕様の欠点にひきずられちゃダメ!を読んで感じた違和感を記録の意味で覚え書きしておきます。一言で言えば、この記事が指摘している所の「HTML仕様の欠点」とは何か、が自分には理解できませんでした。
HTMLは、見出しは指定できるものの、「章(または節や項)がここからここまで」というのを必ず示す仕様にはなっていません(HTML5のsectionもあまりそうした利用はされていません)。そのため、マークアップの段階で「あ、ここの段落は浮いてるな」というように気づきにくいのです(docbookなど他の文書マークアップ言語では、セクションの範囲を示すものがあります)。
あまりそうした利用はされていません
、と言い切っている根拠がまず気になりますけど、それはさておきHTML5のsection要素で章や節の範囲は指定できると思っていますし、その点はDocBookのsection要素やsect1/sect2/sect3/sect4/sect5要素も同じではないでしょうか。結局のところ、記事冒頭で例示されている文書構造を視覚的に表現しにくいということを単に指摘したかっただけで、そのこと自体はHTML仕様の欠点でも何でも無い、と考えているのですが、どうでしょうね。なるほどそうかもね、と思ったのが@robert_KIMATAさんのご意見:
HTMLのタグをスタイルコンテナとしてのみ認識しているとこんな感じになるだろうか。「ブラウザ上でユーザーに表示されないと機能していない」と言う認識
section要素を使ってマークアップした時点で、安田さんが主張するところの「章(または節や項)がここからここまで」というのは指定したことになっている......にもかかわらず、section要素の範囲なりsection要素の入れ子の関係が一般的なWebブラウザのデフォルトスタイルシートで視覚的に表示されないからといって、それをHTMLの欠点と結論づけてしまうのは、やはり文章の構造とその表示結果、見た目と一緒くたに認識されているからでは無いかと。