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川口淳一郎氏の講演

少し前に某銀行主催のイベントで、川口淳一郎氏の講演を拝聴する機会がありました。川口氏といえばもちろん、小惑星探査機「はやぶさ」プロジェクトでプロマネを務めたことで知られる、素晴らしい方。もうかれこれ6年も前のことですが、氏の著作『「はやぶさ」式思考法』を読んでいたこともあって、どんなお話が伺えるか、楽しみにしていました。

ところが、ところが。もうのっけからヤバい。何がヤバいって、話が駄洒落のオンパレード。会場が静まり返っていようが、微塵も気にせずとにかく連発し続ける。その勢いたるや、かつて日本宇宙フォーラム在勤時にお世話になったWさん(誰)並み。強い、強すぎる......これがあの、幾多の苦難を乗り越えて地球まで「はやぶさ」を帰還させた、名プロマネの胆力というやつですか。

とはいえ、いくつか心に刺さることもおっしゃってくださったので覚え書きしておくと、まずは「夢でメシ食えるか?」との問いに対する氏の答え、「夢も見れないで、メシが食えるか」。とんちが効いているようないないような、逆説的でもありますけれど、これは面白いなと思いました。

次いで氏ならではの日本人評、「ルールがあってほしいと願う」「とりあえず知っていることだけをしがち」。うーん、これはいずれも思い当たる節があります。前者については、ルールができたときは既に手遅れ、ということもおっしゃっていました。新しいことに挑戦する気概、開拓精神の重要性とでも換言すべきか。

リーダー像に関するトピックでは、「協調性に優れた人物にリーダーはいない」「スジの通ったことをやり遂げるには、博愛主義ではいけません」とのこと......ということは、川口氏ご自身は協調性を欠いた利己主義のひとってことですか......なるほど。そしてまた完璧主義への批判として、不完全であることを怖れないというのも印象に残りました。

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