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「Webアクセシビリティありき」で語らないWebアクセシビリティ(謎

Web Accessibility Advent Calendar 2016の最終日、25日目の記事もといポエムです。

僕は「アクセシビリティおじさん」を自称してるぐらいですので(謎)、Webアクセシビリティはなぜ必要か、みたいなテーマで講演を数多くさせていただいてきました。おかげさまで今年、2016年もそういう機会をいただけましたし(ありがとうございます)、LTを自ら買って出たこともありました。

そうした講演の多くは、同じWeb業界で働く人向けのものであって、参加者はアクセシビリティという言葉を耳にしたことくらいはある、という前提。なので文脈的に、まず言葉の意味なり定義を紹介することから始めるのが、自分の中で定番だったんです。しかし今年、そういう「Webアクセシビリティありき」な文脈をやめました。

今後も確実に進行するであろうユーザー/デバイス/コンテキストの多様化に対し、Webコンテンツはどう実装されるべきなのか、またデザイナーや開発者は何を考え、Webの特性なり機械可読性をどう活かすべきなのか......そういう話をした後で初めて、アクセシビリティという言葉を出すような文脈を変えてみたんです。そうしたら自分でもビックリするくらい、しっくりきたんですね。

考えてみれば、頭ごなしに「Webアクセシビリティと呼ばれるものがありまして......」みたく話し始めたところで、共感を得にくいのは当たり前のこと。Webアクセシビリティにはリブランディングが必要だ、てなことを考え始めて早くも5年が経過しているのですけど、なぜもっと早く気付けなかったのだろう? アクセシビリティ対応=障害者・高齢者対応という理解をしている人向けに、まずその否定をしなければとの意識が強すぎたのかもしれません。

しっくりきたと言っても、まだ一度しか上記の文脈でお話ししていないのですけど(具体的には11月にあったMTDDC Meetup TOKYOでの講演「今さら聞けない!?Webアクセシビリティに取り組む理由」)、おそらくこの手の講演で僕が「Webアクセシビリティありき」な文脈に戻ることはないでしょう。

以下余談。本投稿をもちまして、Web Accessibility Advent Calendar 2016を無事に完結させることができました。常連の方も、今年初めて参加してくださった方も、皆様ありがとうございました。日々、さまざまな視点と切り口からWebアクセシビリティが語られるのを読むのは楽しかったですし、折角の投稿が少しでも多くの方に読まれるよう、Twitterで都度宣伝させていただきました。

何名か、参加者で僕から投稿のリマインドを受け取られた方、今更ですけどウザくてごめんなさい。言い訳ですが、投稿を待っているのはきっと僕だけではないハズと思ったし、主催者としてはやっぱり、1日でも抜けができて欲しくないと思ったので。来年も同様の企画があれば、ぜひ「お気軽に」ご参加いただければ幸いです。よろしくお願いいたします。

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