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「Webアクセシビリティ」のリブランディング

Webアクセシビリティへの対応を高齢者や障害者への対応と同義と捉えている人って、現状どれぐらいいるのでしょうか。なにせJIS X 8341のタイトルに「高齢者・障害者等配慮設計指針−情報通信における機器,ソフトウェア及びサービス−」とあるぐらいだから(謎)、そう考えている人が少なくないとしても、致し方ないのかもしれません。

しかし、Webアクセシビリティを確保することでメリットを享受するのは、何も高齢者と障害者だけとは限りません。そもそも誰だっていつかは高齢者になるし、またいつ事故や病気で障害を負うことになるとも限らない。ゆえにWebアクセシビリティは全ての利用者のために必要なものであって、それを殊更に高齢者や障害者と紐づけて捉えるのは間違っている(少なくとも「勿体ない」)と思います。

そういう間違った、ないし勿体ない解釈をしている人に対しては、おそらく「Webアクセシビリティ」という言葉のリブランディングが必要でしょう(言葉自体は既に世界的に定着しているわけで、それを今から変えるのはどう考えてもコスト的に見合わない)。そこで最近思うのは、iPhone 4SのSiriがそのリブランディングのきっかけとなるかもしれない、ということ。

Siriのような機能がより高度化しながら広く普及した暁には、視覚障害者でなくともWebを音声で利用することの一般化した社会が予想されます。たとえば複数のニュースサイトのコンテンツを、朝の通勤時に車を運転しながら(Safari Readerに似た機能でもって、余計なヘッダーやナビゲーション類を適宜削除し本文部分のみを効率よく)聞く、というように。そしてWebコンテンツを耳で利用するニーズが今よりも劇的に増えれば、多様な機器で多様な出力を可能にするという動機からアクセシビリティを高めざるを得なくなる。それはまさに、Siriを起点とした「Webアクセシビリティ」のリブランディングではないか?と……妄想ですけど。

まぁ僕のiPhoneは4Sではなく4なので、実際のところSiriがどんなものか詳しくは知らないのですが(というオチ)。

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