月面供養
著
ついに宇宙葬が可能に?月面に遺灰を送るサービス開始 | &GPを読んで知ったのですが、以前から宇宙葬を手がけてきたElysium Space社が、月面供養というサービスを開始していました。初回の打上げは2017年後半、着陸地点は月面の北東の予定で、お値段なんと「たったの」120万円。着陸船はAstrobotic社製のもの、ということはGoogle Lunar X Prizeの資金調達の一環、ということなのかしら。
ご存知の通り、僕は何とか死ぬまでに宇宙から地球を眺めたいと思っているし、もしそれが叶わなければ、たとえ死んだ後であっても僕を構成していた一部が宇宙に打ち上げられることを希望もしているし、ゆえに地上のお墓に入ることに正直あまり意義を見いだせていなくて、同じ(ではないだろうけど)お金を払うなら葬式もお墓も一切ナシに宇宙葬で宇宙に行きたいと思っているのですね。
だから、Elysium Space社の流れ星供養(こちらはお値段30万円)はもちろんチェックしていたし、為替レートがもう少し良くなったら申し込もうとすら思っていたのですが......流れ星供養の4倍はかかるけど、月面まで到達できるというのは非常に魅力的であります。まぁ遺灰の1グラムが月に到達したところで何なんだと言われればそれまでなんだけど、個人的には魅力を感じるし、想像しただけで愉快。
ただまぁこれ、若干気になるのはそれが宇宙倫理的に許容されるのかというのと、環境負荷の側面(流れ星供養であれば大気圏に突入する時点で消えて無くなるから気にならないのですが)。ありえない話だけれど、この手の企画にバンバン注文が集まったら、月面には人類の遺灰がとっ散らかることになる。それはそれで笑える未来ではあるものの、しかし微妙ではあります。あ、あともし間違って、地球からは決して拝まれることのない月の裏側に着陸されちゃったりしたら悲しいんだけど、その場合はどうなるのかな。
まぁしかし月利用をめぐる国際的な議論、ルール作り(いまだに宇宙条約と月協定の2つぐらいなもんでしたっけ?)を前進させる意味でもこの企画、乗っかったらそれなりに面白いかもしれません。少なくとも、謎の証明書と引き換えに月の土地を買えちゃうなんていう話より遥かに現実的で面白い。そういうわけで月面供養、僕は前向きに検討させていただきます。