マイクロインタラクション
著
Dan Saffer氏の著作(の日本語訳)、『マイクロインタラクション ―UI/UXデザインの神が宿る細部』について。もともと、Webデザインのトレンドを語るセミナーで講師をするのに「マイクロインタラクション」を説明する必要があった、というのが購入動機だったのですけど、買ってよかったかなと。マイクロインタラクションとは、p.4の定義を引用すると単一のシナリオに基づいてひとつの作業だけをこなす最小単位のインタラクション
のこと。そしてその構成要素として以下のようなもろもろがある、と解説されていて、それぞれに章が割かれています。
- トリガー
- マイクロインタラクションが始まるきっかけとなる要素(コントロールや条件)
- ルール
- マイクロインタラクションがどう機能するか、その取り決め、定義
- フィードバック
- ルールをマイクロインタラクションのユーザーに理解してもらうための手立て
- ループとモード
- マイクロインタラクションのメタルール
章ごとにまとめがあるほか、何より豊富な具体例が織り交ぜられているので、わかりやすかったです。個人的にビビビときたフレーズは以下の箇所:
全体のデザインの質が、最小の要素の質を超えることはない
細部は品質を測るものさし
Vine Linuxなどでは、スリープから復帰する画面で、他の人が[メッセージを残す]をクリックして伝言を残すことができる
人がどこに目を向けるかをコントロールできれば、どこへ行こうとするかをコントロールできる
選択肢がなく、「賢いデフォルトがあるのみ」というのがよい
聴覚刺激はすばやく脳に到達するので強力な合図になります。速さでは視覚刺激を上回ります