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ウェアラブルデバイスがWebブラウザーを搭載しなかったとしても

よく知りませんけど、Apple WatchにWebブラウザー(Mobile Safari)が搭載されないらしい、ということ(Apple Watch には Safari がないのに誰も気づいていない | maclalala2参照)を巡り、一部(何処)で議論があるらしいですね。Apple Watchに限らず、これから雨後の筍のように市場に投入されるであろうウェアラブルデバイスが、Webブラウザー(注:ここではスクリーン表示を前提とした視覚系ブラウザーの意味)を搭載しなかったとしても何ら不思議ではないし、それに対してWebデザイナー/Web開発者が焦る必要もないと思うのです。ただし、常日頃からアクセシブルなWebコンテンツ実装を実践している人に限る、という前提はあると思いますが。

仮にWebブラウザー非搭載なデバイスが世に受け入れられ普及したとしても、Webの必要性・重要性というのは変わらないと思いますし、単にそこからコンテンツを取り出して利用するスタイルが変化するだけ。今まで以上にデータポータビリティなりマシンリーダビリティがコンテンツに求められるということだけれど、一定のアクセシビリティを確保してコンテンツを実装していさえすれば......静的にであれ動的にであれ、意味的なマークアップで提供できていれば、コンテンツを取り出してユーザーに何らかのかたちで(音声であれ、スクリーン表示であれ、なんであれ)伝えることは、この先も十分可能なはず。つい最近読んだのですけど、Zen and the Art of Wearable Markupという記事で、僕の尊敬してやまないZeldman御大もこう仰ってるではありませんか:

At its core, all PE means is that we think first about the content and the people who want to access it--not the browser, not the device, not the technology. That we create experiences that will be accessible to any device that reads HTML. And then layer in progressively enhanced experiences for users of progressively capable technology. It's how a site created in 2015 can deliver content and experiences to a Palm Pilot, a feature phone, a game console, or, dare we dream, a wearable.

PE、つまりプログレッシブ・エンハンスメントという思想に基づいて、コンテンツとユーザーの双方を第一に(ブラウザーやらデバイスやら個々の技術を抜きに)考えればこそ、Webコンテンツのプリミティブな、それがどうマークアップされているかという部分に、永続性なり恒久性という価値が備わる。不確実な世の中、不確実な業界であっても、それはいつか来た道であり、そしてこれからも進む道でもあるのですよね、きっと。

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