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諦める力

Kindle版がワンコインでセール中、というので為末大氏の『諦める力 ~勝てないのは努力が足りないからじゃない』を買って読んでみました。為末氏(@daijapan)の発する言葉、TwitterとかTogetterなんかで目にするたび、納得させられることが少なからずあって、もとより著作には興味があったんです。でまぁ、『走りながら考える』は、ほしい物リストに長いこと登録しっぱなしにしてたんですけど、結局安さに惹かれて先に『諦める力』を読むことに。

「はじめに」の冒頭で「諦める」という言葉の語源が「明らめる」だ、と紹介されているところでまず目から鱗が一枚ぽろり。仏教では、心理や道理を明らかにしてよく見極めるという意味で使われ、むしろポジティブなイメージを持つ言葉らしい。いやまったく初耳だったし、どちらかと言えばネガティブな印象しか抱いてこなかったような。そのうえで何かを「やめる」ことは「選ぶ」こと、「決める」ことに近いと語られると、腑に落ちます。

本書は、著者の人生経験に基づいた一種の「幸福論」と感じたけれど、自分なりにうんと短く要約するなら「人生にも損切りは必要」ってことに尽きると思うんです。そしてそれは特別なことでも何でもなくて、実は誰もが日常を生きるなかで自然に実践していることでもある。人生なんざ、究極的には次の1分1秒を何をして過ごすかという選択の連続でしかなく、個々の選択においては実は「諦める」ということ、そして中には(無意識にしろそうでないにしろ)損切りをしているケースというのも少なからずある、みたいな。以下、得心したポイントをいくつか:

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