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Fw: 障害者権利条約の「合理的配慮」とは何だったか

梅垣さんのお書きになったAccessible Technology Trends: 障害者権利条約の「合理的配慮」とは何だったかという記事より。

報道によると、「障害者差別解消法」について自民、公明、民主が三党合意し、民間における配慮を努力義務にとどめるということになったということだ。この法律は、国連の障害者権利条約(Convention on the Rights of Persons with Disabilities)を批准するために整備がすすめられた法律である。もとはといえば、障害者権利条約は障害者の差別をなくすことがその本旨である。差別をなくすことが努力目標であってよいはずがない。

あまりよく調べてはいなかったのですが、確かにそういう報道がなされていますね(例:障害者差別:解消法制化で3党合意 民間は努力義務に- 毎日jp(毎日新聞))。この判断が、今後の日本にもたらし得る影響というのは、以下のくだりにまとめられています。

公共は義務だが、民間は努力目標というのは、これまでとほとんど何も変わらないということだ。あるいは、合理的配慮の範囲がほぼ公共の枠内だけに設定されているということもできる。

それで果たして障害者権利条約に批准したと言えるのかどうか?自分は法律の専門家というわけではないので、わかりません。ただ、障害者権利条約に批准している他国の法整備と比較したとき、上記の判断が著しく劣ったものなのかどうか、という点は気になります。別の表現をするなら、批准国間で「合理的配慮」の程度なり解釈がどの程度の幅に収斂しているのか、というあたり。

ほかにも気がかりな点はいくつかあります。第一に、どのような議論なり検討を経て今回の判断に至ったのかということ。3党間の合意というレベルなので、議事録の類が世に公開されているとはあまり思えないけれど、駄目もとで各党に経緯を照会してみる必要はありそう。第二に、民間での取り組みを強化すべく動いてきた障害当事者団体なり個人という存在がどれだけあって、その際、政党なり政治家とのあいだでどのようなやりとりがなされてきたのかという点。また、「Webの」アクセシビリティについてはどの程度の検討、他国における施策の研究などが行われてきたのかも気になります。

今日のところは、オチも何もなく自身の無知を覚え書きしておくに止めますが、本件の動きは引き続き注視しつつ、協力できる部分をみつけ何かしら具体的な(特にWebアクセシビリティに関連したところで)アクションを起こしていければと思っています。

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