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Re: レスポンシブWebデザインのサイトに「デスクトップ表示」ボタンが必要な2つの理由

勤務先でレスポンシブWebデザインのサイトに「デスクトップ表示」ボタンが必要な2つの理由がちょっと話題になったので、自分の考えを覚え書きしておくなど。結論を先に述べてしまうと、レスポンシブWebデザインのサイトで「デスクトップ表示」(あるいは「モバイル表示」)ボタンは必要無いと考えています。この手のボタンが必要とされる動機や背景、前提には大きく二種類のパターンがあると自分も考えていて、渡辺さんの記事と表現はやや異なりますが(でも内容的には概ね同じだと思っていますが)、

があると思います。前者については、そもそもそういうデザインって微妙な気がしていて、つまりスクリーンサイズごとに提供する情報や機能を変えるのであれば、レスポンシブWebデザインを採用する意義は薄く、ひょっとすると最適化サイトのほうが有効かもしれないという。後者については、利用者の側で一時的な混乱ないし学習は不可避にせよ、どのデバイスで見たとき画面上のどこに何があるかはいずれ把握できるでしょうから(理解を促すための解説ページを設けるのも一案)、「デスクトップ/モバイル表示」ボタンが恒久的に必要とは思えません。

理想論かもしれませんが、どのスクリーンサイズでアクセスしても利用できる情報や機能に差がなく、またビジュアルデザイン/トーン&マナーにも一貫性が保たれていて、どこに何があるかがわかりやすくデザインされている前提においては(レスポンシブWebデザインを採用する以上、そういうデザインを目指すべきとも思うのですが)、「デスクトップ/モバイル表示」ボタンは必要無いかなと(付けるべきでないとまでは思いません)。仮に必要な状況があったとしても(上述の例で言う後者の場合)、それはあくまで一時的な対応として必要なのであって、いずれは不要になると思います。

この手のボタンが必要なのは、レスポンシブWebデザインを採用したサイトより、どちらかといえばターゲットデバイスごとに最適化サイトを複数運用しているような場合ではないでしょうか。その場合、往々にして利用できる情報や機能がサイトごとに異なりますから、利用者に対し選択肢を提示できたほうが良いと思います。もっとも、モバイルとデスクトップの区別が意味を持たなくなりつつある昨今、「デスクトップ/モバイル表示」なるラベルも、一般の利用者からすれば理解しにくいものとなりつつあると思いますが。

渡辺さんもお書きになっていますけども、Webサイトの表示に対する一般的な理解、認識は(理由がレスポンシブWebデザイン採用事例の増加にしろ、Webにアクセス可能なデバイスの多様化にしろ)変化していくと思うのですよね。「これまでは」WebサイトといえばデスクトップPC向けのつくりが多かったかもしれないけども、そういう状況からは確実に脱却し始めているわけで。一連の変化によって、同じWebページであってもデバイスやスクリーンサイズによって表示が変わり得ることが広く認知された暁に、果たして「デスクトップ/モバイル表示」ボタンのニーズがどうなっているか......。

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