日本大学式人力飛行機と再会
著
Facebookのほうで知ったのですが、昨日〜今日の二日間、所沢市民フェスティバルにあわせて所沢航空発祥記念館の格納庫が一般公開されているというので、息子を連れて行ってきました。その格納庫は、普段は一般の人が見学することのできない施設であり、年に数度しか公開されないのですけど、自分も復元に関わった日本大学式人力飛行機が収蔵されているのです。あいにくの天気で、久しぶりに乗った西武新宿線の電車に揺られている間に雨も降り始めたのですが、テンション高めで行ってきました。というのも、自分が乗ったことのある人力飛行機で現存するのは、この所沢航空発祥記念館にあるただ一機のみであり、いずれはその姿を息子にも見せたいと思っていたからです。
確かに学生当時、自分は早稲田大学宇宙航空研究会(WASA)鳥人間プロジェクトに所属・活動していたのですが、日本大学航空研究会(NASG)の格納庫にも足繁く通い、どうすれば優れた飛行機を創り飛ばせるのかを学ばせていただいていました。それがご縁で1996年の1月〜4月にかけて、OBチームの人力飛行機(1994年の鳥人間コンテスト人力プロペラ機部門優勝機「作蔵 IV」)の復元作業に参加させていただいたのです。復元後、所沢航空発祥記念館への寄贈前に記念搭乗会が交通総合試験路で催され、一度だけですが自分にとって初となるアップライト型の機体で飛ばせていただきました。無論、復元したばかりの機体を壊しては元も子もないので、ジャンプ程度ではありましたが、体重の軽さと正対風が手伝ってパワーを入れた途端に高度1mくらいまでさくっと上昇したのをよく覚えています(フェアリングを付けてない状態だったにもかかわらず)。当時も今も、他チームの機体で飛ぶというのは極めて稀なことだと思うのですけど、それだけ懇意にしていただいていたということで......今だに一部のNASG OBの方々とは交流があったりします。
果たして、日本大学式人力飛行機の勇姿は最後にみたときと変わらず格納庫内に吊り下げられていました。やはり経年劣化を免れることはできず、翼は全体的にかなり汚れており、一部フィルムの剥がれなども見受けられましたが、保存状態は悪くなかったように思います。おそらく、カーボン製のボックス桁というのは昨今の鳥人間チームはまず採用していないタイプかと思いますので、関東近郊にお住まいで鳥人間/人力飛行機ファンの方(謎)は、機会をみつけてご覧になってみてはいかがでしょうか。もうかれこれ20年近く以上昔の機体ではありますけど、かつて鳥人間界隈において黄金時代を築いた頃のNASGのエッセンスが集約された貴重な機体だと思っています。