Firefox Developers Conference 2012 in Osaka
著
6月30日の覚え書き。前日に大阪入りしていたおかげで、だいぶ気持ち的にゆったりした朝を迎えました。堺筋本町駅近くのスタバでソイラテとシナモンロールの朝食を済ませ、いざFirefox Developers Conference 2012 in Osakaへ!いきなり等身大のFirefox?(あとで撮影した抜け殻参照)に受付を阻まれ焦るなどしましたが、無事に瀧田さんと浅井さんによるオープニングセッションを拝聴。1998年以来、14年にわたり主張されてきたWebのアプリケーションプラットフォーム化が、いよいよ現実のものとなりつつあるのは感慨深いですね。また浅井さんのスライドより「仕様なき実装は不幸の種」「実装無き仕様は机上理論」というのは、言い得て妙だなと思いました。あぁ、早くBoot to Geckoの動く端末で遊びたい(謎
お昼休みは夕方のトークセッション「Writing HTML ~これからの HTML の書き方~」でご一緒する村岡さん、秋葉さんとお弁当を食べながら軽く下打ち合せ。そのまま午後はズルズルと控え室に引きこもり、ライトニングトークの時間から会場に復帰。そして迎えた自分の出番、やはりUSTREAMで中継されている&後日録画が公開されてしまうかと思うと、大阪というアウェー感をひしひしと感じる場という理由も加わって、必要以上に緊張&噛み噛みな講演になってしまいました。村岡さん、秋葉さんとのトークについては、前夜祭で「いじりますんで」宣告を受けていた通り、お二人にいじりまくられそのまま終わる的な展開。下打ち合せでも全く触れられていなかった寸劇までやる羽目に!
まぁでも会場からは時折笑い(失笑?)をいただけたましたし、いくつか質問もいただけたので、概ね楽しんでいただけたのかなと。また懇親会では直接僕に質問や感想をくださった方が何人かいらして、それが凄く嬉しかったです。個人的には、レスポンシブWebデザインやマルチデバイス対応だけでなしに、改めて今後のWebデザイン全体を捉え直す契機となれば幸いです(内容的にほとんどHTMLと関係なくなっていた気がしますが、そこは平にご容赦)。盛り上げてくださった村岡さん、秋葉さんはもとより、参加された皆さま、お招きくださったMozilla Japanの皆さまに感謝します。ありがとうございました。後日改めてフォローアップ的なことを書くかもしれませんが、取り急ぎTogetterのまとめにあったなかから、ちょこっと反応しておきます。
モルガン・スタンレーの予測。モバイルユーザ数はデスクトップユーザ数を2010年に抜くという予測
- つぶやいたご本人には直接リプライしましたが、2010年というのは、僕が紹介したInternet Trendsというレポート(※PDF注意)が発行された年です。そのなかで、モバイルインターネットユーザーの数がデスクトップインターネットユーザーの数を追い抜くと予測されているのは、大体2013年から2014年にかけてです。
レスポンシブで表の対応してるjs、どんなんか気になる。
- 一例ですが、自分が試してみようと思っている手法は、Responsive Tables with CSS/JS - Foundation 3 - ZURB Playground - ZURB.comです。こちらも既にご本人にはご紹介済みですが。
一番お客さんに伝えなければならないことは「これからはマルチデバイス」ということ。レスポンシブであることが必要なわけではない
- 浅井さん、重要なポイントを拾ってくださって助かります。自分も何度か繰り返し強調したつもりなのですけど、あらゆるWebサイトがレスポンシブなデザインを実装すべき、とは主張していません。ポイントは、特定のデバイスなりスクリーンサイズ「だけ」を前提にWebをデザインすべき時代ではないという事実であり、レスポンシブWebデザインは対応手法のひとつに過ぎない点です。
「レスポンシブデザイン業界トップのミツエーリンクスさんでもIE6は諦めてます」がこれからのキーワードw
- IE6で「何を」諦めているのか、という目的語が抜けてしまっています。ゆえに誤解を招くかもしれませんので補足をしますが、ここで諦めているのは他のモダンなブラウザとの表示上の(もっと言ってしまえばピクセル単位での)一致です。
ソーシャルボタン重たいから別のレイヤーでやってくれ。ですよねー。私も嫌いです。Firefoxも本体側に組み込む事が結構前から検討されてますが具体的にいつどう入るとかまだ未確定なままです
- Breaking Development Orlando 2012 DAY2でReset the Webの講演を聞いて以来、ますます自分はWebコンテンツとSNSの連携部分をWebブラウザーなりプラットフォームのレイヤーが処理すべきだと考えるようになりました。どのSNSのストリームにどう共有するかを、ユーザーがあらかじめ設定しておきさえすれば、いいねボタンの類が存在しないWebページであっても、簡単に共有できるようになって欲しいと思います(制作者の視点からも、いちユーザーの視点からも)。
未確定なまま
というのはちょっと残念ですけど、Mozillaさんがそういうことを検討されていたというのは初耳で、嬉しく思います。今後、前向きな進展があると良いのですが。 @kazuhito さんの話で印象的だったのは、支障が無いレベルでレイアウトが少々崩れるケースは妥協してもらうということ。Web仕様の精神からすると昔から妥協すべき点だったけど、それをビジネスレベルで理解してもらえる時代が来つつあるというのは感慨深い。
- Webコンテンツ実装のトレンドがCSSレイアウトなりWeb標準準拠に移行した時期から、その種の妥協の正当性を主張してきたつもりではありますが、当時はなかなか賛同を得にくい環境であったと思います。今日あるまでにWebの閲覧環境が多様化し、サイトによってはIE6よりもスマートフォンからのアクセス数が多くなっているような状況に至り、そしてまたモバイルユーザーの急増ゆえに表示速度の高速化が重視されるようになってようやく、賛同が得やすくなってきたのかなと感じています。