Re: 関西でWebアクセシビリティを考える会に参加してきました!
著
関西でWebアクセシビリティを考える会なるイベントが催されたようです。非常に分かりやすい名称というか、同じアクセシビリティがテーマでもアクセシビリティBARと比べると以下略。まぁしかし、こうやって有志が集まってアクセシビリティを語り合う場とか機会が生まれるっていうのは素晴らしいことだなと、個人的にはそう思います。スマートフォン対応やらレスポンシブ・Webデザインやらと比べれば地味なテーマだと思いますし、それだけになかなか注目も集まらない/集めにくい話題だとも思うんですが、しかし制作者の立場からすれば「自らの制作したコンテンツの品質とは何か」と直結する極めて重要なトピックスだと考えているわけで。そうした議論なり意見交換の場が少しずつでも増え、立場の異なる人々(特にブラウザベンダー、支援技術ベンダー、そしてコンテンツ利用者)も巻き込むなかで、Webアクセシビリティ界隈(何)がより良い方向へ進むと良いのですが。で、僕はもちろんこのイベントに参加したわけではありませんが、フニス出口さんが関西でWebアクセシビリティを考える会に参加してきました!|ふにろぐで書かれていたことに関し、個人的に思うところを覚え書きしておこうかなと思います。
音声読み上げを意識したマークアップもしたほうがいいのでは?
- しないよりはしたほうが良いと思いつつ、それに囚われるべきではないとも思います。音声読み上げ環境とて一定普遍ではなく変化していくものであって、それにコンテンツの側がどこまで足並みを揃えるべきかもまた、変化していくはずだからです。そもそも、音声読み上げ環境は数多あるWebの利用環境のひとつに過ぎません。
特定の利用者や環境に対し歩み寄れば、それ以外では当然逆のことが起こりうる
のは、Re: 第18回 XHTMLの設計〜状況に合った要素選び(3)〜で書いた通り。 どこまでやればいいのかの線引きが難しい
- 「アクセシビリティ対応を」どこまでやればいいのか、という文脈だと思いますが、まずはWCAG 2.0 レベルAまでだろうと自分は思っています。なぜなら、レベルAはWCAG 2.0にある3つの適合レベルのうち最低のレベルですけど、それだけに全てのWebコンテンツが満たすべきレベルとも考えられるからです。
CMSにアクセシビリティの実装項目を付加すれば運用者でもアクセシビリティを考慮したサイトになるのでは?
- ならないと思います(残念ながら)。もちろん、それが機械的に担保できるアクセシビリティ品質というのはあるでしょうけれど。手っ取り早い例でいえば、画像の代替テキスト。CMSでもってimg要素にalt属性を常に付与することはできても、適切な値(=代替テキスト)を指定できるのはコンテンツを制作しCMSを運用する人間の側であって、CMSにはできません。
現段階ではアクセシビリティの対策が制作者にとっての付加価値とならず単なるサービスと見なされるケースがある
- 「制作者にとっての付加価値」というのがよくわかりませんでした。「単なるサービスと見なされるケース」というのは、なんとなく想像できます。ただ先にも書きましたけど、WCAG 2.0 Aレベルのアクセシビリティ対応というのはある意味「やって当たり前」であって、それを達成するためのモロモロは本来、Webのデザインプロセスにデフォルトで組み込まれているべきだと思っています。
ビレットイメージを共通化させてルール付ける(リンク表示の明確化)
- ビレットイメージ……すみません初耳です、言葉の意味がわかりませんでした。教えていただけると幸い。
iPhoneアプリでも読み上げが必要
- iPhoneアプリも、しっかり作られていさえすれば、VoiceOverごしに音声でちゃんと使えるはずです。僕はアプリ開発者ではないから詳しくはないけれど、そのあたりの原理はFlashコンテンツと似ていて、たとえばボタン部分の画像に代替テキストが指定されており、それがボタンのラベルとして機能するなら、ボタンはちゃんと読み上げられるし機能もしたはず。ただ「読み上げが必要」というのがどういう文脈で語られたかによりますね。
そもそもの話で音声ブラウザ自体の認知度が低い
- 確かにそうかもしれません。で、勤務先では0から学ぶ スクリーン・リーダー入門セミナーのようなイベントを企画していたりします(宣伝乙)。是非関西でもどなたか企画していただければと思います(し、お招きいただけたりすると同僚の辻さんや自分が喜びます)。