Webサイト価値を高める基盤 〜次世代ガイドライン
著
8月30日の覚え書き。Web広告研究会サイトマネジメント委員会セミナー「Webサイト価値を高める基盤 〜次世代ガイドライン」に、パネリストとして参加してきました。会場は、コートヤード・マリオット銀座東武ホテル2F桜の間。セミナーは大きく二部構成で、前半をキヤノンマーケティングジャパンの増井氏が「『いつも横にはガイドライン』を目指して」をテーマに講演。後半が「今、ガイドラインはどんな存在?」をテーマとしたパネルディスカッションでした。自分は主に、同日のリリース(Webサイト価値を高める基盤「次世代ガイドライン・フレームワーク」をクリエイティブ・コモンズ・ライセンスで提供)に関連して、次世代ガイドライン・フレームワークの説明を担当させていただきました。時間が限られたなかでの説明だったので、いくつか伝え漏らしていた部分があるように思うのですが、補足させていただくと:
- ガイドラインを介して設計・実装上のルールを共有しておくことで期待されるメリットには、業務効率の向上、属人性の排除とその裏返しとしての品質担保が大きいと考えています。
- 設計ガイドラインは「比較的」Web技術に依存しない内容であり、安定性が高く、数年に一度のリニューアルなどに合わせて改訂されるイメージ。一方実装ガイドラインはWeb技術の変化、利用者の変化に合わせてより頻繁に改訂されるイメージ。アクセシビリティのガイドラインであるWCAG 2.0のつくりを思い浮かべていただければ、しっくりくるのかなと思います。
- ガイドラインのアウトラインはさておき、そのなかで定義されている内容が「ある程度」標準化できると、それに準拠するために必要なナレッジの標準化なり普及というかたちで業界全体が底上げされる可能性があると思います。
- ガイドラインの存在は、ある意味、企業活動の持続可能性にも貢献し得ると考えます。期間限定公開のようなサイトでかつごく限られた人間しか関わらない前提があるならまだしも、そうでなければ、やはり一定のガイドラインは必要ではないかと。
- ガイドラインの策定はあくまでも最初の一歩でしかなく、それをいかに運用していくのかが肝要と考えます(さもなくば形骸化・陳腐化するのは時間の問題)。社内外を問わず、構築・運用に携わるすべてのステークホルダーが、ガイドラインの存在に対し同じ価値観を共有するなかで、それに準拠しないデメリットよりむしろ準拠するメリットを認識しながら、準拠するための努力を怠らず、その一方でガイドライン自体を適宜見直し改善し続けることが求められます。
- ガイドラインをコミュニケーションツールと位置づけているのは、まさに上述の意図や理由によるものです。
- 委員会で作成したガイドライン・フレームワークは、必ずしもすべての企業のすべてのWebサイトに対して必要なアウトライン、構成になっているわけではありません。これを叩き台として、企業固有の事情をしっかり踏まえながらカスタマイズされることを期待しています(各項目の掘り下げ方然り)。
なお、当日の模様はいくつかメディアにも取り上げていただいているようで、今回の取り組みに参加させていただいた一人として大変ありがたく思っています: