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ドキュメント 宇宙飛行士選抜試験

今年3月に放映されたNHKスペシャル「宇宙飛行士はこうして生まれた 〜密着・最終選抜試験〜」の制作に携わったお二人の著書『ドキュメント 宇宙飛行士選抜試験』を読了。同番組を通じ、あらかたの内容は知ったうえだったけれど、非常に読み応えのある書籍でした。同番組の企画自体が画期的だったわけですけど、閉鎖環境試験とその後のNASAでの面接内容を詳しく紹介している本書もまた、画期的ではないかと思います。同番組放映後、他のマスコミの担当記者たちから苦情が殺到したという裏話が「おわりに」のなかで触れられていましたが、さもありなん。おそらく一般の目からしたって、選抜過程というのは完全なブラックボックスであり、その内実が公にされる日が来るなんて考えにくかったはずで。

本書を読んで認識したことは、リーダーシップとフォロワーシップの違いであるとか、その使い分け、あるいは双方をバランスよく担うことの重要性。本書に直接そう書いてあったわけではないけれど、僕はこれらは(宇宙飛行士を目指さないまでも)共に身に付けるべき技術だと思っています。実際、自分がリーダーシップを求められる会議やプロジェクトもあれば、逆にフォロワーシップが求められるケースもあります。どちらに軸足を置くべきかは、どこにも明確に定義されていなくとも常にその場その場で判断し、最終的には組織なりプロジェクト全体に多少なりとも前進なり建設的な帰結を導けるよう努力しているつもり。で、閉鎖環境試験では何もリーダーシップを発揮した人ばかりを評価しているわけではなく、フォロワーシップもまた重視されていたのだということがよく分かったのは、ちょっとした収穫でした。まだまだ、引き続き精進しなければならないけれど。加えて印象的だったのは、最後のほうの金井氏が選ばれた経緯のくだりで紹介されていた、向井宇宙飛行士の言葉:

すべての項目で60点を取るというのは意外と難しいんですよ、健康面も含めて。100点じゃなくてもいいんだけれど、50点じゃだめ。勉強も運動も精神・心理も、すべてバランスよく合格点を取らなければならないんです

あくまでも仮定の話になりますが、将来また職業的宇宙飛行士の募集があったとして、ズバ抜けた何かを持ち合わせていない自分が応募するとしたらまさに上記の作戦、つまり全項目での最低合格点狙いでいくしかない......けれど、それはそれで難しい、と。ですよねー(謎無

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